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“創設者”武藤敬司がW-1を語る!「実は一番上がりづらかった」

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武藤敬司

 4月1日の東京・後楽園ホール大会をもって活動休止するプロレス団体、WRESTLE-1(W-1)の創設者である武藤敬司が23日、取材に応えた。当初、武藤は4月上旬にアメリカ遠征が入っていたため、ラスト興行には参戦できないとされていたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、アメリカ遠征がキャンセルになったため、武藤は、カズ・ハヤシ&近藤修司&河野真幸と組み、稲葉大樹&土肥孝司&芦野祥太郎&羆嵐とメインイベントで対戦することが決定した。

 「やっぱり、W-1は全日本プロレスからの流れでできた団体だからね。最初は大体の選手が全日本から移籍してきたわけだけど、全日本時代を100としたら70ぐらいしか来てねえんだよな。何人かは全日本に残ったからね。ということは、100だった全日本時代よりは団体をやっても劣るわけだ。その中で何を見せていけばいいのかと考えなきゃいけなかったんだけど、そういう戦力的に劣った部分をひっくり返す極めつけのアイデアが俺の中にはなかったからさ。きっとスターも作らないといけなかったし、いろいろ試行錯誤しながらやっていく中で、最初は『ハッスル』みたいなこともやってたよな。かと言って、リング上だけはしっかりしようということで模索しながらやってたけど、俺にしてみれば『ふ〜ん、そうか』っていう感じでさ。これは俺の発想の中にはなかったことだから。好き嫌いはともかくとして、『これが新しいプロレスなのか』って思ってたんだけど、いつの間にか普通のプロレスに戻っててさ(笑)。普通のプロレスに戻った時点で、スケールダウンした感は否めないよ」

 武藤が話すように、旗揚げ当初のW-1はエンターテイメント色の強い団体だったように思う。現在、新日本プロレスで活躍中のSANADAは、W-1でエースの哲学を磨いていった。征矢学をスポークスマンにするなど、様々な実験を行ってきたが、武藤の怪我などもあり、スポット出場するようになってからは、離脱者も続出し、若い選手を中心とした「普通の」プロレス団体になっていったのは否めない。W-1として団体の特色が出せなかったのだ。

 W-1最後の試合は、オリジナルメンバー主体でのマッチが組まれた。
 「気負いもないし、言っちゃあなんだけど、W-1はなくなってもプロレスは永遠に不滅だからね。これからW-1のレスラーはそれぞれ己の力だけで生きていかなきゃいけないわけだけど、それは俺も一緒だから。そもそも、プロレスラーは個人事業主だからね。まあ、中には辞めていく奴もいると思うよ?その後の人生のことを考えてね。そういうこともありつつ、最後の試合にはしっかりした気持ちで臨みますよ。(最後の試合は)W-1の上層部vs今のW-1でトップを走っているレスラーだよな。正直な話、W-1の選手ってそう絡みがないからさ。W-1に所属していながら、ここ数年はW-1の試合よりも外の団体のほうが多かったからね。なぜ多いかって言われれば、それはどこの団体でも俺を招く理由があるわけだ。ただ、W-1の場合は逆にそういうのがねえもんな。だから、逆に接点がなかったというか、W-1のリングが実は一番上がりづらかったという部分もあったよね。ただ、今回は最後だからっていう理由が生まれたしさ」

 自分の団体より他団体の方が、出場する「理由があった」と武藤が話したのは今回が初めてではない。新日本に所属しながら、全日本に上がっていた時期にも同様の発言をしており、その後、全日本に電撃移籍をした過去がある。しかし、今回は「最後だから」という理由があるという。
 「カズはどこに行ったって生きていけるよ(笑)。そこは俺と一緒だよ。でも、逆に社長業を経験したわけだから、プロモーターとしても生きていけるよ。もう団体はやらないと思うけど、いつかカズが興行やるってなったら、そこに今の選手たちも集まるかもしれねえしな。これからどんなことをやってくれるのか、楽しみにしていますよ。7年弱応援していただいて、本当にありがとうございます。あとはウチの選手が各々己の力を信じて旅立っていくからさ。ファンの人もそれぞれ贔屓にしている選手がいるだろうし、そういう選手たちを追って応援してほしいよね」

 最後にカズ・ハヤシ社長へのエールを送るとともに、W-1を応援してきたファンに対して感謝の意を述べた武藤。武藤もプロレスリング・マスターズの継続に向けて頑張ってもらいたいし、まだまだ色んな団体で存在感を見せつけてもらいたい。そんな武藤の首を若いW-1の選手が全力で狙いに来る4.1後楽園大会。「また見たい」と思わせたら、この団体の7年の歴史は報われるのではないだろうか。若い選手の奮起に期待したい。
(どら増田)

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