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昨季限りで引退した選手も…プロ入りした甲子園優勝投手たちの現状、順調な選手は半数以下?

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藤浪晋太郎

 9日に行われた阪神対日本ハムの練習試合。「4-8」で日本ハムが阪神に勝利を収めたこの一戦だが、試合結果以上に注目を集めたのが、どちらも夏の甲子園優勝投手である阪神・藤浪晋太郎(大阪桐蔭/2012年)と日本ハム・斎藤佑樹(早稲田実業/2006年)の投げ合いだった。

 2012年ドラフト1位で25歳の藤浪はプロ1年目の2013年から4年間で計42勝をマークし、2015年には最多奪三振(221個)のタイトルを獲得するも、2017年以降の3年間は計8勝と失速し、昨シーズンはプロ入り後初の未勝利。現在は秋・春季キャンプで阪神の臨時コーチを務める山本昌氏の指導を受け復活を期しているが、収穫なしなら野球人生の岐路に立たされる可能性も否定はできない。

 一方、2010年ドラフト1位で31歳の斎藤はプロ9年間でわずか15勝しか挙げられず、さらに昨シーズンを含め2年連続で未勝利。立ち位置は藤浪以上に苦しく、まさに崖っぷちの状況に追い込まれているといっても過言ではない。

 今回の試合では藤浪が「2回無失点・被安打0」、斎藤が「2回無失点・被安打1」とどちらも好投。ただ、首脳陣の信頼を取り戻すにはまだまだ道半ばといったところでもあるだろう。

 高校時代につかんだ栄光が、必ずしも成功を保証してくれるわけではないプロ野球の世界。球界には過去10年の夏優勝投手のうち7名が足を踏み入れているが、個々人によってその現状は大きく異なっている。

 ここまでのプロ生活が順調といえるのは、西武・高橋光成(前橋育英/2013年)、西武・今井達也(作新学院/2016年)、中日・清水達也(花咲徳栄/2017年)の3名。2014年ドラフト1位で23歳の高橋と2016年ドラフト1位で21歳の今井は、昨シーズン高橋が「21試合・10勝6敗・防御率4.51」、今井が「23試合・7勝9敗・防御率4.32」という成績をそれぞれマークしチームのパ・リーグ2連覇に貢献。今シーズンも先発ローテーションで稼働することが見込まれている。

 2017年ドラフト4位で20歳の清水は、プロ1年目の2018年は一軍での登板がわずか2試合。しかし、2019年の登板数は8試合と前年から数字を伸ばしてプロ初勝利を含む2勝もマークしているため、2020年は一年を通じての先発ローテーション入りが期待されている。

 出だしは順調だったものの、現在は壁にぶつかっているのが前述の藤浪と中日・小笠原慎之介(東海大相模/2015年)の両名。2015年ドラフト1位で22歳の小笠原は、プロ1年目の2016年からの3年間で計54試合(12勝)とコンスタントに一軍で登板し、2018年には自身初の開幕投手にも抜擢された期待の投手の一人。ただ、2019年は左ひじ、左肩の怪我に苦しみ登板数は7試合(3勝)にとどまっている。

 高校時代とは一転して、プロで苦戦をしいられたのは元ソフトバンク・島袋洋奨(興南/2010年)と日本ハム・柿木連(大阪桐蔭/2018年)の2名。2019年に日本ハムに入団した19歳の柿木は昨シーズン一軍登板がなく、二軍でも「26試合・2勝4敗・防御率8.24」とサッパリ。まだ1年目のシーズンが終わったばかりとはいえ、今後に不安が残る数字となっている。

 2014年ドラフト5位で27歳の島袋は、今回登場した7名の中では唯一大学を経由してプロ入り。しかし、左ひじの怪我などもあり一軍では通算2試合しか登板できないまま、2019年限りで現役を引退している。

 それぞれ置かれた状況が異なり、島袋に関しては惜しくもユニフォームを脱いでしまった過去10年の夏優勝投手たち。島袋を除く6名はこれから2020年シーズンを迎えるが、果たして首脳陣やファンの期待に応える投球を見せることはできるだろうか。

文 / 柴田雅人

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