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ドロ沼連敗の真中ヤクルト 「辞めろコール」の裏で囁かれる意外なピンチヒッター

 7月9日の広島戦、1点リードで迎えた9回表、ライアン小川がマウンドへ。連敗脱出の願いも虚しく、小川泰弘(27)は5点差をひっくり返された7日に続く背信登板となってしまった。真中満監督(46)の“夏休み”はつらいものとなりそうだ。

 「チームが7連敗を喫した8日の試合後、神宮球場のヤクルトファンは、『辞めろ!』の罵声を容赦なく真中監督に浴びせました。球団も考えなければなりません」(ベテラン記者)

 9日の広島戦は試合前から重苦しいムードに包まれていた。前日の同カードを落とした時点で借金は今季ワーストの「21」。対戦別勝敗で見ても、勝ち越しているチームは一つもない。観客席は「人気の広島戦」ということで、3カードとも3万人以上を記録したが、本来ならば、本拠地・神宮球場を埋める燕党が「辞めろコール」を起こしたとなれば、後半戦の観客動員数にも大きな影響を与えるだろう。

 「ヤクルトの敗因は故障者の続出と、山田哲人を始めとする主力選手の不振です。真中監督を責めたところで、何の解決にもなりません。主力選手を我慢して使い続けた真中監督の采配も間違っていません」

 指揮官を擁護する声も多く聞かれた。とはいえ、観客動員数は球団にとって最大収支であり、主力選手の復調を「待つ」だけではファンは離れていくばかりだ。

 一般論として、監督を途中交代させる場合、「休養」の名目が使われ、ヘッドコーチ、二軍監督などに指揮を代行させる。2010年に逆上るが、ヤクルトには「監督代行」を決めてチームが息を吹き返した前例がある。高田繁監督の休養が発表され、当時、ヘッドコーチだった小川淳司氏が監督代行に就いた。小川コーチは二軍監督も長く経験しており、選手の気心を分かっていた。温厚な人柄も重なり、チームの雰囲気も好転し、同年オフ、そのまま監督に昇格した。トリプルスリー・山田を始めとする多くの野手陣は二軍でその薫陶を受けており、今日の礎も築き上げたが、当時を知る関係者はこう反論する。

 「真中監督も二軍監督を経験し、選手の気心も分かっています。小川氏は監督代行のときから『チームの不振はヘッドコーチだった自分にもある』とし、監督昇格にも難色を示していました。ヤクルト球団は『二軍監督を経験させ、一軍指揮官に』の路線を作り、小川氏は『次の監督のため』と若手を育てることを最優先とする指揮を続けました。チームの事情をよく知る二軍監督、コーチから後継指揮官を選ぶ路線は生きているので、真中監督が任期途中でコケるようなことになれば、次の指揮官は準備不足となるのは明白」

 球団は球宴休み中に真中監督と会い、今後の展望について話し合うだろう。

 二軍監督も務め、満を持しての昇格となったはずの真中監督ではあるが、その話し合いの結果次第では、三木ヘッドコーチ(40)、投手陣を預かる伊藤智仁コーチ(46)、ベテラン指導者の杉村繁チーフ打撃コーチ(59)、作戦参謀の役目も務めてきた野村克則バッテリーコーチ(43)、高津臣吾二軍監督(48)あたりの名前も大きくメディアでも扱われることになるだろう。

 「野村コーチは勉強家で、バッテリーの配球はもちろん、スコアラーへの指示も的確です」(前出・関係者)

 チームの混乱を避けるためにも、指揮官の途中交代は避けたい。

 野村コーチは現役晩年、ピンチヒッターとして精神的重圧の掛かる場面でも活躍してきたが…。

(スポーツライター・飯山満)

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