岡本社長は経緯説明の後、記者から質問を受けたが、いずれにも歯切れが悪い印象で、特に「俺にはお前ら全員クビにする力があるんだ」などと関わった芸人たちを“恫喝”したともとられかねない発言の真意については「和ませようと思った」と呆れた釈明をし、生中継で会見の模様を放送していたワイドショーの出演者たちをドン引きさせた。
「岡本社長からは、宮迫と亮への契約解除の撤回が伝えられましたが、吉本の現体制には多くの芸人たちが不満を募らせており、内々では宮迫一派の支持者が多数派を占めています。早くも『社長の会見にはガッカリした』という声が漏れており、これをキッカケに大量離脱、“新吉本興業”立ち上げも囁かれていますよ」(芸能記者)
もともと岡本社長はダウンタウンのマネジャーであり、体制側と密接な関係にある松本人志が事態の収束に向けて動いたことで、今回の社長会見が実現した経緯があった。一方で、事務所所属の加藤浩次が、自身が番組MCを務める日本テレビ系『スッキリ』(日本テレビ系)に出演し、「岡本社長は松本さんのマネジャーではなく会社のトップ。社員の家族もいる、そしてそこには、芸人、若手芸人の家族、そしてその生活があるんですよ。吉本の経営側が絶対変わらないとダメ。僕はこの状況が変わらないなら、僕は退社します。昨日ずっと考えていて...そう思いました。意見するような形になって申し訳ないんですけど、そういうつもりでいます」と、語気を強めながら訴えたほどだ。
雲行きはかなり怪しい。
「吉本の執行部はほとんどがダウンタウン派閥。そこで橋渡しをするために、芸人の意向を汲んだ松本が先頭に立って掛け合い、問題の解決に乗り出している。ただ若手芸人たちの吉本に対する不信感は長年にわたるものでかなり根深く、執行部を信用していない。宮迫らの会見を見て、芸人たちの間では拍手喝采も起きていましたから」(同・記者)
芸人たちの爆発はちょっとやそっとでは抑えられないところまで来ている。吉本の大崎洋会長が各メディアの取材に「事務所と所属芸人の間には紙の契約書はなく、口頭で契約を交わしてきた」と答えてきたことに、やはり所属のお笑い『ハリセンボン』近藤春菜は、「口頭でも聞いたことがない。お互い同意してないと契約って結ばれないと思う」と反論。「争い事を嫌う春菜がここまで会社トップに噛み付くのは、よほど不満が溜まっている証拠」(日本テレビ関係者)。
吉本の内紛は、これからが本番だ。