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「12球団ワースト」に転落?西武にFA退団者が尽きない理由は…

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渡辺久信

 渡辺久信シニアディレクター(以下=SD)は、寝業師・根本陸夫氏になれるのか…。

 「おかわり君」こと、中村剛也(35)が契約交渉に臨み、現状維持の年俸2億8000万円でサインした(金額は推定/12月4日)。前半戦で苦しんだが、本塁打28、打点74。チームの精神的支柱でもある和製大砲への評価について、見方が別れる。前半戦の不振を理由に「現状維持は御の字」とする向きもあれば、「28本塁打は立派。優勝したのだから微増でも昇給させるべき」と批判的な声も聞かれた。

 この賛否両論な中村の契約更改と前後して、菊池雄星のポスティングシステムが正式な手続きに入ったことも発表された。菊池、浅村、炭谷、そして、松井稼頭央の引退。高額年俸の主力選手が同時期にチームを去ることになった。これに“シビアな査定”も重なって、埼玉西武ライオンズは優勝チームでありながら、「チーム総年俸額」で12球団ワーストに転落する可能性も出てきたのだ。

 「一般的に優勝した年は査定も甘くなります。チーム功労者に対してはなおのこと」(プロ野球解説者)

 だが、Vチーム・西武はバラ色のオフとはいかないようだ。浅村、炭谷のFA退団でお祝いムードも吹っ飛んでしまった。しかも、この2人が退団したことで、西武はFA史上、退団選手数トップのワースト記録を更新。94年の制度導入以降、のべ18人が新天地を求めて行った。

 ベテランが復活すれば、西武も主力流出の痛手を補えるだろう。

 それにしても、なぜ、主力選手は西武を去ってしまうのか。元西武選手によれば、「お互いに欠点を指摘し合い、結果で勝負しようという雰囲気。ライバルの揚げ足取りはしないし、チームの風通しも良い」とのこと。しかし、トップレベルのレギュラー陣は違う印象も抱いているようだ。

「年俸査定が厳しいというか…。3年続けて活躍しないと一人前として評価してくれない」(球界関係者)

 源田、外崎などはまだレギュラーに定着して3年が経過していない。12月上旬時点で、彼らの昇給幅は小さいと見られていた。高額年俸の菊池たちは新天地を求めたので、西武の総年俸が激減すると予想された根拠はここにある。

 「3年務めて一人前」の方針は当たり前かもしれないが、プロの世界では「誠意、評価」とはカネである。契約更改においての衝突もあるのだろう。

 「80年代の黄金期の西武には故・根本氏もいて、チーム全体に睨みが利いていて、一方で選手の私生活でのミスまでケアしてくれたそうです」(前出・球界関係者)

 根本氏には寝業師の異名もあった。水面下で懸案事項を全て解決し、ドラフトでも意中の選手を囲い込んでいたからだ。また、選手の面倒見も良く、当時を知る選手たちからも慕われていた。

 渡辺SDはスカウト方面で敏腕ぶりを発揮している。浅村、炭谷の説得にもあたっていた。根本氏の後任的立場にあるわけだが、その方面ではまだ成果は上げていない。FA退団者を増やさないためにも、渡辺SDに頑張ってもらうしかないようだ。(スポーツライター・飯山満)

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