search
とじる
トップ > 社会 > 万引で教師クビでも退職金は満額支払い!

万引で教師クビでも退職金は満額支払い!

 元教諭の退職金を巡り、興味深い和解が成立した。

 スーパーで計766円の食料品を万引し、窃盗容疑で現行犯逮捕されたとして、懲戒免職処分を受けた大阪府立高校の元教諭の女性(60)が、処分は重すぎるとして府に取り消しを求めた訴訟で、府が処分を取り消し、退職金相当額の約1800万円を支払うことで、大阪高裁で和解することが5月16日に分かった。

 女性は08年10月、奈良県内のスーパーで焼き豚やキュウリなど、計766円相当を盗んだ疑いで現行犯逮捕された。不起訴処分になったが、府教委は09年1月、当時の懲戒処分基準に従って免職処分とした。

 処分に不服の女性は10年11月に処分取り消しを求めて大阪地裁に提訴し、今年1月の地裁判決で「万引した金額に比べ、教員免許取り消しなど女性が受けた被害が大きい」として勝訴。府は控訴したが、大阪高裁が今月7日、処分取り消しと退職金相当額の支払いを柱とする和解案を提示していた。

 府教委は16日に和解案を了承した。府教委担当者は「控訴審でも敗訴の可能性が高く、和解案を受諾した」と話している。

 不起訴処分になったとはいえ、万引したのは事実。確かにわずか766円相当の少額だが、罪の重さは金額の大小なのだろうか。

 そもそも、教職者がその立場にあるまじき行為を犯したこと自体が問題。それでいて、退職金は減額ならともかく、満額相当をもらえることに釈然としない方も多いのではなかろうか。
(蔵元英二)

関連記事


社会→

 

特集

関連ニュース

ピックアップ

新着ニュース→

もっと見る→

社会→

もっと見る→

注目タグ