「もともと桐生は陸上競技ももっとメジャーにしたい、小学生の低学年にも興味を持ってほしいと思ってやってきました。実際、地方の大会に行くと、握手を求める小さい子どもに気さくに応じていますし、学校訪問にも積極的です」(スポーツ協会詰め記者)
映像配信を始めたのも、陸上競技に興味を持ってもらいたいとの思いからだろう。しかし、その中身は今のところトレーニング風景がメイン。面白いかどうかは別として、こんな声が聞かれた。
「見る人が見れば、桐生の好不調が分かります。どんな調整をしているのか手の内を明かすようなもので、ライバルはニンマリでは?」(スポーツ紙記者)
確かに、五輪本番まで「あと1年」を切ったというのに、桐生の調子は上がってこない。先のマドリード国際大会での100メートル走決勝では、桐生は10秒08で4位。日本歴代1位(9秒97)の記録を持つライバル、サニブラウン・ハキームは10秒05で3位だった。準決勝では桐生の方がタイムを上回っていたので、「久々に強い桐生が見られそう」と期待していたファンも多かっただけに、そのガッカリ感はYouTubeのバッドサインとなって返ってきた。
「桐生はマジメな性格なので、負けると敗因をすべて自分のせいにしてため込んでしまうところもあります。映像の中身はともかく、気晴らしになるのなら配信業も悪くないのでは? という意見もありますが…」(関係者)
そんなふうにかばう声も聞かれたが、このままでは100メートル走の代表枠から落選してしまう危険性も高い。
「桐生が9秒台を出して以来、他の日本人選手も『10秒10』を切っても、平凡なタイムに見られるようになりました。代表枠争いは熾烈です」(同・関係者)
日本人初の9秒台をたたき出した桐生に頑張ってほしいと思うファンは多い。手の内を明かすよりも、ハイレベルなレースをけん引してもらいたいものだ。