同人事の背景には、M資金まがいのリクルート株50億円投資詐欺事件が関係しているとみられている。
澤田氏は2010年にHTB社長に就任。18年間赤字だったHTBを半年で黒字に転換。その後、季節に合わせたイベントを導入し、大規模なイルミネーションや花火、仮想現実技術を使ったアトラクションなどを次々打ち出して、約9年間で同社を再建させた立役者だ。その澤田氏がはまったリクリート株投資詐欺とはいかなるものか。
「昨年2月にHTBが電子通貨(テンボスコイン)を企画した際、澤田氏は金取引会社の石川雄太社長にテンボスコインの裏付けになる金の調達を一手に任せた。その石川社長のもとに知人からリクルート株の投資話が持ち込まれたんです」(経済ジャーナリスト)
リクルート株投資詐欺話は創業者の江副浩正氏が’13年2月に他界した直後から横行し始めた。
リクルート創業者の江副氏が安定株主対策として預けた株が財務省に大量に保管されている。財務省とリクルートの承諾があれば、ワンロット50億円の大口に限り、市価の1割程度で入手できるといった内容。
「このリクルート株投資詐欺は、M資金詐欺と同レベルだが、石川社長はまんまと乗かってしまったんです」(投資ジャーナリスト)
石川氏はワンロット50億円で購入することを澤田氏に相談し、50億円の資金提供を受けた。リクルート株投資は昨年5月から3回に分けて行われたが、そもそもが詐欺話。50億円を騙し取られてしまった。
昨年11月、石川氏は損害賠償を求め、投資話に関与した8人を東京地裁に提訴しているが、HTBも2月末に長崎県警に被害届を提出した。
「旅行業界“立志伝中の人物”と称賛された澤田氏は晩節を汚しましたね」(マスコミ関係者)