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〈企業・経済深層レポート〉 ソフトバンク15年ぶりの赤字転落 孫正義会長が墓穴を掘った倒産要因

 ソフトバンクグループ(以下、SBG)が一部の専門家から「倒産もありえる」とささやかれるほど、窮地に追い込まれている。

 その最大の理由は、同社が11月6日に発表した2019年9月期中間決算。営業損益が前年の1兆4200億円の黒字から一転、15年ぶり155億円の赤字で、最終損益は約7000億円という大赤字(前年同期5264億円の黒字)なのだ。

 実際、孫正義会長は同決算の発表会見で「『ソフトバンクはもう倒産するのではないか』という報道があった。市場がそのように見ているなら、ある意味では正しいと思う」と弱気発言を漏らしたほど。

「赤字になった最大の要因は、米ナスダックへのIPO(上場)を狙ったシェアオフィス『ウィーワーク』を運営する米ウィーカンパニーに1兆円超えの巨額投資をしたことです。ウィーカンパニーの放漫経営に疑問符が付き、上場が暗礁に乗り上げたばかりか、ここにきて“経営破綻”の可能性さえ指摘され始め追加融資。ウィーカンパニーを巡るドロ沼にハマっています」(経営コンサルタント)

 日本を代表するSBGが、なぜこうした罠に陥ってしまったのか。まず「ウィーカンパニー」へ投資することになった経緯を解説したい。

「SBGは’17年にサウジアラビアの政府系ファンド『パブリック・インベストメント・ファンドグループ(以下、PIF)』とともに、世界最大級の10兆円規模の投資ファンド『ソフトバンク・ビジョン・ファンド(以下、SVF)』を設立しました。SVFは人工知能分野を中心に世界で90社前後に投資している。投資先の選別など運用面はSBGが担っていて、その司令塔が孫正義会長です」(証券関係者)

 ウィーカンパニーは’10年に創業された企業で、アダム・ニューマンというカリスマCEOの下、猛烈な勢いでシェアオフィス事業の拡大を図り、全世界124都市で800店舗にまで広がり、日本でも’18年から東京を中心に展開を始めている。

「シェアオフィス事業者が数多い中でウィーカンパニーのシェアオフィスが注目されたのは、人的ネットワークづくりで会員間の取引、協業のチャンスを得られる会合を積極的に設けたこと。最初の頃の会員はフリーランスや小企業者が多かったが、今や一流企業が2〜3割を占めるようになりました」(前出・経営コンサルタント)

 SBGがウィーカンパニーに投資することになった契機は、’16年にインドで開かれたスタートアップ企業との「投資企業の会」と言われている。

「そこで孫会長とアダム・ニューマン氏が出会い、意気投合。孫会長がニューヨークのウィーカンパニー本社を訪れ、ウィーカンパニーへの出資を即決しました。以後、9回にわたり1兆円超えの投資をしています」(同)

 そして’19年、ウィーカンパニーは米ナスダック市場への上場準備に入る。上場の想定企業価値は日本円にして約6兆円規模で、大型上場が期待された。

 ところが、上場前に米証券取引委員会に提出、公開された証券登録届出書の内容に、専門家や証券関係者から続々と疑問符が提起された。

「事業内容が将来的に継続して利益を創出できる内容ではなく、ただ単に長期で借りたビルの内装をキレイにして、それを短期でまた貸しする単なる不動産業だったのです。これでは不景気時には会員が一気に少なくなる上、利幅も少ないため、将来、大きく発展が望める経営内容ではないと批判されました。それに加えて、ニューマンCEOが自分の不動産をウィーワークに貸し、儲けているのではという疑いや、保有株を担保に多額の借金をしている点なども明らかになったのです」(証券会社関係者)

 さらにニューマンCEOの薬物疑惑や素行不良問題などが続々と暴露され、想定企業価値は一気に半分以下に急減した。

「ついに’19年9月上場が延期され、ニューマンCEOが更迭。SBGはウィーカンパニーを支えるために、さらに1兆円規模の追加融資を強いられたのです」(同)

 こうした一連の騒動を経て、9月期中間決算の発表会見となった。

「孫会長は発表会見で、『今回の決算の発表内容はボロボロでございます。真っ赤っかの大赤字』と自虐発言をしていて、一見、余裕そうでした」(金融関係者)

 ただ、11月になってSBGは、みずほ銀行、さらに三菱UFJ銀行などに約7000億円近い巨額融資を依頼していた。

「ウィーワーク問題は自前資金だけでは問題解決ができないということ。孫会長の内心は、相当焦っていると思いますよ」(同)

 SBGはウィーカンパニーによって、倒産してもおかしくない。

「シェアオフィス事業者が数多い中でウィーカンパニーのシェアオフィスが注目されたのは、人的ネットワークづくりで会員間の取引、協業のチャンスを得られる会合を積極的に設けたこと。最初の頃の会員はフリーランスや小企業者が多かったが、今や一流企業が2〜3割を占めるようになりました」(前出・経営コンサルタント)
 SBGがウィーカンパニーに投資することになった契機は、’16年にインドで開かれたスタートアップ企業との「投資企業の会」と言われている。
「そこで孫会長とアダム・ニューマン氏が出会い、意気投合。孫会長がニューヨークのウィーカンパニー本社を訪れ、ウィーカンパニーへの出資を即決しました。以後、9回にわたり1兆円超えの投資をしています」(同)
 そして’19年、ウィーカンパニーは米ナスダック市場への上場準備に入る。上場の想定企業価値は日本円にして約6兆円規模で、大型上場が期待された。
 ところが、上場前に米証券取引委員会に提出、公開された証券登録届出書の内容に、専門家や証券関係者から続々と疑問符が提起された。
「事業内容が将来的に継続して利益を創出できる内容ではなく、ただ単に長期で借りたビルの内装をキレイにして、それを短期でまた貸しする単なる不動産業だったのです。これでは不景気時には会員が一気に少なくなる上、利幅も少ないため、将来、大きく発展が望める経営内容ではないと批判されました。それに加えて、ニューマンCEOが自分の不動産をウィーワークに貸し、儲けているのではという疑いや、保有株を担保に多額の借金をしている点なども明らかになったのです」(証券会社関係者)
 さらにニューマンCEOの薬物疑惑や素行不良問題などが続々と暴露され、想定企業価値は一気に半分以下に急減した。
「ついに’19年9月上場が延期され、ニューマンCEOが更迭。SBGはウィーカンパニーを支えるために、さらに1兆円規模の追加融資を強いられたのです」(同)
 こうした一連の騒動を経て、9月期中間決算の発表会見となった。
「孫会長は発表会見で、『今回の決算の発表内容はボロボロでございます。真っ赤っかの大赤字』と自虐発言をしていて、一見、余裕そうでした」(金融関係者)
 ただ、11月になってSBGは、みずほ銀行、さらに三菱UFJ銀行などに約7000億円近い巨額融資を依頼していた。
「ウィーワーク問題は自前資金だけでは問題解決ができないということ。孫会長の内心は、相当焦っていると思いますよ」(同)
 SBGはウィーカンパニーによって、倒産してもおかしくない。

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