『ONE PIECE』第62巻、久しぶりの一味勢揃いでの冒険

トレンド 2011年05月04日 17時59分

『ONE PIECE』第62巻、久しぶりの一味勢揃いでの冒険

 尾田栄一郎が『週刊少年ジャンプ』に連載中の人気漫画『ONE PIECE』第62巻が、5月2日に発売された。
 『ONE PIECE』は海賊王を目指すモンキー・D・ルフィが、麦わらの一味と共に「ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)」を求めて冒険する海洋ロマンである。この巻では海底1万メートルの場所にある魚人島への旅と、魚人島での冒険を描く。

 『ONE PIECE』の特徴は、情報量の多さである。漫画は絵と文字から構成されるが、『ONE PIECE』は両方とも緻密である。絵は背景まで緻密に描き込まれており、セリフも多い。この巻は特に主人公サイドには麦わらの一味が勢揃いし、多数の新キャラも登場するという賑やかな内容となっている。

 前半は魚人島を目指す船旅である。シャボン玉でコーティングされたサウザンドサニー号が海中を進む。常識を超えた海中の自然現象に驚き、他の海賊船や巨大な海獣に襲撃される。ここでのポイントは麦わらの一味総勢9人(ルフィ、ゾロ、ナミ、ウソップ、サンジ、チョッパー、ロビン、フランキー、ブルック)が基本的に船内という同じ場所にいるということである。

 現実的に考えれば9人の海賊団は少ないが、漫画で描くならば大所帯である。9人も存在するとなると空気化するキャラクターも出てしまいがちである。それを避けるためには別々に行動させることで、各々のキャラクターの見せ場を作る手法がある。これは『ONE PIECE』でも何度も採用され、魚人島到着後にも使われた。

 しかし、ここでは一味は船内という一つの場所に閉鎖空間にいるために、その手法は使えない。その代わり、一つのコマで何人かがストーリーに直接関係する会話をする背後で、別のキャラクターが別の会話をするというシーンを多用している。それによって、大勢のクルーが存在するという活気を表現している。本筋から外れたドタバタであるが、これによって、ストーリーを進める道具ではなく、生きた存在としてキャラクターを感じさせることに成功している。
 
 後半は魚人島での騒動である。新たなキャラクターが多数登場し、ストーリーは複雑度を増す。但し、パワーアップした麦わらの一味に比べると、敵役には迫力が欠ける。しかし、フランキーも初登場時はイロモノ感が漂っており、麦わらの一味に加わる主要キャラになるとの予想は困難であった。敵役も今後の展開で大化けする可能性がある。底が見えない『ONE PIECE』への期待は高まる。
(林田力)

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