「近いうちにVTOL型F35Bステルス戦闘機約10機を搭載できる3万トン級の軽空母の建造を推進するとのことです。3万トン級なら、日韓軍事摩擦にまで発展した強襲揚陸艦『独島』および『馬羅島』(1万9000トン級)の1.5倍近い大きさで、日本の軽空母(満載排水量2万トン級)の『いずも』よりも大きい」(軍事ライター)
韓国の空母導入計画が明るみ出たのは、今回で4回目だ。
「最初は1996年に竹島を巡り日本との対立が深刻化すると、金泳三大統領が計画を承認し、次は13年に軍人最高位の合同参謀本部議長が、空母保有の検討計画を発表したが、いずれも予算面の問題で頓挫している。17年には韓国の保守系有力オピニオン誌『月刊朝鮮』1月号が、韓国海軍の空母建造計画をスクープしたことがあります」(韓国ウオッチャー)
しかし、資金以上の問題がある。
「韓国海軍は、海上自衛隊に刺激され、次々に新型艦艇を導入するなど近代化に躍起になってきましたが、『独島』は、レーダーや武器管制システムに欠陥があるまま就役し、15年の韓国独立70周年を記念する竹島への派遣には、スクリューの故障で参加できないという失態を演じました。また、韓国初の国産潜水艦の『孫元一』型は燃料電池の不具合で数日間しか潜行できず、基準値よりも大きな水中雑音を発するため、まともな作戦行動がとれない代物です」(前出の軍事ライター)
それ以上に問題なのは、「月刊朝鮮」がすっぱ抜いた報告書によると、「対日戦を想定した任務と要望性能」が記載されていたことだ。韓国は、日本と同じく米国と軍事同盟を結んでおり、また日本とも「日韓秘密軍事情報保護協定」(日韓GSOMIA)を締結している。準同盟国と位置付けられる韓国に日本が紛争を仕掛けると本気で考えているのだろうか。
もし、そうであれば、日韓間の現状認識が根本的にズレていると言わざるを得ない。