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首位独走の立役者 大瀬良が習得したレジェンド投球フォーム

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 緒方カープが順調にマジックナンバーを減らしている。
 9月1日のヤクルト戦での勝利は、70勝目。3年連続での「70勝一番乗り」であり、優勝マジックは「15」まで減った。他球団はAクラス争いに目標を変えたせいだろうか。ネット裏の話題も”優勝後”に変わってきた。MVPは誰に決まるか――。
 同日も7回被安打2失点1とバツグンの安定感を見せ、リーグトップの15勝目を挙げた大瀬良大地投手(27)が有力視されていた。
「大瀬良は昨年オフからフォーム改造に取り組み、それが好調の要因となりました」(プロ野球解説者)

 大瀬良に新投球フォームのヒントを与えたのは、レジェンド・黒田博樹だった。左腕を高く上げ、右手のテイクバックも大きくする。新フォームは黒田を模倣したものと言っていい。しかし、単なるモノマネではない。左腕を高く上げるスタイルに改造したのには、明確な目的があった。
 大瀬良は今年の自主トレを公開した1月8日、記者団にこう語っていた。
「左手を高く上げれば、戻す(体に引き寄せる)ときに右肘も上がる。大きく使えば、力強さも出てくるので」
 左腕を高く上げることで、ストレートの精度を高めようとしたのである。
 昨季はルーキーイヤー以来の2ケタ勝利を挙げたが、その内容は決して褒められるものではなかった。先発ローテーションを託された投手としては145回2/3は少ない。原因は分かっていた。ストレートに威力がなかったからだ。スピードガンでは140キロ台後半を出していても、シュート回転してしまう悪癖があり、それを気にするあまり、ボールそのものに威力がなかった。

「今までの大瀬良の投球フォームはコンパクトなものでした。シュート回転させないため、右腕を小さく回していました」(関係者)
 このままではヤバイと思ったのだろう。大瀬良は右腕の振りを力強いものにしなければ、威力のあるストレートは投げられないと考えた。かといって、シュート回転の悪癖もなんとかしなければ、先発投手として使ってもらえない。そこで考えたのが、右腕を無駄な力を使わずにシャープに腕を振る方法だった。左腕を高く挙げ、その反動で右腕を大きく、鋭く振る。レジェンド・黒田と同じ投げ方である。
「大瀬良はオフの間、黒田と食事をしながら相談したそうです。自身の投げ方を単に真似るだけだったら、黒田は何も教えなかったと思います。でも、シュート回転の克服と力強いストレートを投げるためという目的がはっきりしていたので、技術的なアドバイスも送ったのでしょう」(前出・同)

 オフの練習も危機意識をもって励んだ。これまでは前田健太を中心とした“広島グループ”で和気あいあいと自主トレをやってきたが、今年は辞退した。一人で考えながら黙々と体を鍛えたという。新フォームが馴染んできたのはオープン戦中盤だった。
 一般論として、プロ野球投手はオフシーズンに投球フォームを微妙にマイナーチェンジさせている。打者も同様だ。前年と同じままでは通用しないと思うからだが、大瀬良の場合はマイナーチェンジの域ではない。
「キャンプの時点では大瀬良はローテーション入りが確実視されていませんでした」(スポーツ紙記者)
 大瀬良が最多勝などの投手タイトルを獲得すれば、MVP選出もほぼ確実だろう。(スポーツライター・飯山満)

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