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米第7艦隊が北朝鮮「鼻血作戦」シーズン2へ突入

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提供:週刊実話

 5月上旬に、北朝鮮が短距離弾道ミサイルや多連装ロケットを試射した。その中でも韓国にとって大きな脅威となるのが、ロシア製の短距離弾道ミサイル「イスカンデル」だ。

 「イスカンデルは、通常の弾道ミサイルより低い軌道を取り、標的への接近段階に入ると、迎撃に対して“おとり”を放射して回避行動を行える厄介な性能を持っています。韓国のミサイル防御網を無力化させる攻撃兵器で、今のところ韓国には防御する手段が見当たりません」(軍事ジャーナリスト)

 北朝鮮はこのような技術をロシアから供与されたのか、それとも独自に開発したのかは現時点で不明だが、いずれにせよ北朝鮮のミサイル能力が向上したことは明らかだ。

 前出の軍事ジャーナリストは「今後も北朝鮮のミサイル試射は続く」と予想する。

 「まだ1度しか発射実験をしていない精密誘導型『スカッド』、発射実験で失敗が続いている中距離弾道ミサイル『ムスダン』、そして、現在開発中の新型潜水艦に搭載する新型SLBM(潜水艦発射式弾道ミサイル)『北極星Ⅲ』、対グアムに実戦配備されたと思われる液体燃料型の中・長距離弾道ミサイル『火星12』などの実戦運用のための即応訓練を重ねようとするでしょう」

 北朝鮮がミサイル試射を続ける狙いはどこなのか。

 「金正恩朝鮮労働党委員長は、自身の外交能力では米国に勝てないと考えています。ミサイル試射により再び軍事的緊張を高めて、対米交渉の主導権を握ろうと考えているのでしょう。また、国内で毀損した権威を回復し、求心力を高める狙いもあるようです」(北朝鮮ウオッチャー)

 正恩氏がミサイル試射で主導権を握ろうとするのは、トランプ大統領には、北朝鮮との対話路線が挫折してしまうことは絶対に避けなければならない理由があるからだ。

 「国内、政府部内の慎重論を押し切って自らの主導で北朝鮮との対話路線を進めてきただけに、それが潰えることは、『核・ミサイル実験の停止』という“成果”を失うことにもなり、来年の大統領再選に計り知れない悪影響を与えかねません」(同)

 また、中国とは貿易戦争がかつてないほど深刻さを増し、イラン情勢も「一触即発」であることを考えれば、東アジアであらたな緊張状態を抱え込むことは得策ではない。

 「しかし、最悪の場合を常に想定し、そのための準備を怠りなくするのが米国という国です」(国際ジャーナリスト)

 北朝鮮から“死神”と恐れられるボルトン米大統領補佐官(安全保障担当)は、3月11日の米メディアのインタビューで、「まばたき一つせず北朝鮮を監視している」と語っている。

 「3月30日に沖縄の嘉手納米空軍基地に米空軍偵察機『RC―135S』が、インド洋のディエゴガルシア基地から飛来しました。同機に搭載されているコブラボールが作戦中に収集するデータは、国家安全保障問題担当大統領補佐官、国防長官、戦略軍司令官に直接伝達され、米国の安全保障における最高レベルの意思決定に直接反映される最重要情報の1つです。したがって米軍関係情報網が、北朝鮮で弾道ミサイル発射実験の兆候などを察知した場合、即応できる体制が出来上がっているのです」(軍事アナリスト)

 今後、北朝鮮の弾道ミサイル実験の兆候を察知した場合、米国はどう動くのか。5月21日に掲載された共同通信社の記事によると、米政府は「次の試射は看過しない」と表明している。さらに国際ジャーナリストは、北朝鮮へ軍事攻撃を仕掛ける可能性もあり、「すでにその準備が進行している」と説明する。

 「5月25日のトランプ氏の来日前日には、横須賀港に米海軍の強襲揚陸艦『ワスプ』が入港しました。さらにこの『ワスプ』より大型で小型空母並みの装備を持つ強襲揚陸艦『アメリカ』が佐世保に配備予定です。これをもって米第7艦隊による『鼻血作戦・シーズンⅡ』に入ると見られています」(前出・国際ジャーナリスト)

 鼻血作戦とは、’18年2月の平昌冬季五輪後にトランプ政権が密かに検討したと噂される北朝鮮への“先制攻撃”のこと。全面戦争を避けるために、戦争にならない程度の限定攻撃でアメリカの軍事的優位を示し、北朝鮮に核開発を放棄させることを目的としている。

 「横須賀港配備の原子力空母『ロナルド・レーガン』や岩国基地の海兵隊の最新鋭ステルス戦闘機『F35B』などが、この作戦を準備中です」(前出・軍事ジャーナリスト)

 東シナ海での瀬取り監視活動へ最近投入された米海軍のイージス駆逐艦「ミリアス」は、トマホーク巡航ミサイルをはじめ最新型の兵器システムを備えており、北朝鮮の弾道ミサイルを撃墜できる迎撃システムも装備している。米ウォールストリート・ジャーナル紙は、4月14日にミリアスの乗船ルポ記事を掲載したが、その中で「外交を通した解決法が失敗したら、ミリアスの役割が大きく変わることもあり得る」と、軍事行動への役割転換もあり得るとの見方を示した。

 米朝首脳会談が2回も行われたのは、北朝鮮が核・ミサイルの実験や試射をしなかったからだ。それを破った今、北朝鮮がミサイル発射を繰り返していた’17年以上の緊張状態に陥ってしまったようだ。

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