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「選手が試合で演出を盛り上げてくれた」ももクロ演出家も絶賛、無限大の可能性を秘めた若者たちのプロレス団体、新体制DNA発進!

【人気団体・DDTから独立、従来の興行とは異質な空間】

 今年の3月で旗揚げ20周年を迎えるDDTプロレスリング(ドラマティック・ドリーム・チーム)。鍛え抜かれた肉体による熱い闘いに加え、他ジャンルの要素を採り入れた表現方法による幅広いエンターテインメント性をウリとする“文化系プロレス”と呼ばれ、女性ファンを中心に絶大なる人気を誇っているプロレス団体だ。来月20日にはさいたまスーパーアリーナメインアリーナにて20周年の集大成となるビッグショーを控えている。

 そのDDTが次世代の人材を育成するべく2014年11月に起ち上げたのが、DNA(DDT NEW ATTITUDE)だ。従来のプロレス団体における新人と違い、スタートの時点で自分たちのリングを持ち実戦を通じて成長していくというもので、旗揚げ戦で初披露された選手たちは新人離れした肉体と確かな技術で「これがデビュー戦か!?」と見る者のド肝を抜いた。

 その後は本体であるDDTへ出場するのと並行し、DNAとして興行を月イチペースでおこなってきたが昨年11月、DDTグループから運営をエス・ピー広告へ移管し、新体制としてさらなる独自路線を目指すことに。それまではあくまでもDDTの育成機関と見られていたが、高木三四郎・同社長は「DDTのライバル団体になるぐらいになってほしい」と期待を寄せた。

 そこで大会プロデューサーとして白羽の矢を立てられたのが、ももいろクローバーZの演出で知られる演出家・映像ディレクターの佐々木敦規氏。過去にK-1や新日本プロレス東京ドーム大会も手がけており、かねてから高木社長のプロレス業界の枠にとらわれぬ手腕に着目し「いつか一緒にやってみたいと思っていた」という。

 23日、歌舞伎町のど真ん中にある新宿FACEにて開催された新体制第1弾興行「FIGHTING GIG DNA EP.30〜Starting Signal 走れ!〜」は前売りの時点でチケットが完売。これは過去のDNA興行にはなかったことで「いったいどんな新しいものを見せてくれるのだろう」という期待感の大きさがうかがえた。新宿FACEは常設のリングがある会場だが「会場に入った時、今までのプロレス会場とは違う、アンダーグラウンドな世界に足を踏み入れた感じにはせず、きらびやかで派手なファンタジーな空間にしたい」と佐々木氏が語っていた通り、プロレスファン的には見慣れた光景がそこにはなかった。

 ステージ席後方にはテレビのスタジオ収録で使われるような電飾のセットが設営され、そのセンターから選手たちが入場。照明も美術も佐々木氏が自らのチームを導入し、万全の態勢で臨んだ。

 試合はこれまでのDNA同様、選手たちの個性が存分に発揮されたものに。この日に向けてコスチュームを新調したり、それまでコスチュームで隠していた上半身を初めて披露したりする選手もいるなど、やはりそれぞれの意識の変化が見られた。

【東京03・豊本明長がサプライズ登場!】

 そんな中、第3試合終了後に登場したのが東京03のメンバーであり、プロレス格闘技専門チャンネル「サムライTV」でキャスターも務めている豊本明長。敗れた選手が悔しさのあまり号泣しているところに「ウソ泣きなのはわかっていますから」と突っ込んだあと、ラッパーによるMCで試練の七番勝負を与えると告げた。佐々木氏いわく、豊本は「水差しアドバイザー」という位置づけで、メインのあとにも登場するとしれっとDNAの後楽園ホール初進出(5月10日)を発表。

 「ももクロのライブでも松崎しげるさんがサプライズ登場し唄を歌うということがあったんですけど(DNAでは)メッセンジャーが必要かなと思いまして。それでプロレスにも詳しくてファン目線で発言してもらうのに合っていると思って豊本君を持ってきました」(佐々木氏)

 第5試合のセミファイナルには総合格闘技イベント「PRIDE」で活躍した桜庭和志がタッグマッチに登場。DNAの新エースを狙うと宣言していた岩崎孝樹を得意の関節技で一蹴した。そしてメインイベントでは第64代横綱・曙が同じ角界出身でDNAのエース・樋口和貞とタッグを結成。カード発表会見でデビュー5戦目の新人ながら「横綱だかなんだか知らんけど、俺が投げてやる」とケンカを売ってきた吉村直巳の顔面を猛烈な張り手で吹っ飛ばし、230kgの体重で圧殺。一人で投げると宣言していた吉村だったが、パートナーの岡林裕二(大日本プロレス)との合体ブレーンバスターを決めるにとどまり、試合の方も樋口の得意技“轟天”によってプロ入り初黒星を喫した。

 「自身プロレスファンなんで楽しめましたし、演出としては進行も含めハラハラドキドキしましたけれど試合が何よりよかったんで、選手の皆さんが演出を盛り上げてくれて感謝しています。点数をつけるとしたら…75点。これからも一つひとつの闘いに意味を持たせていきます。僕にできるのはゴングが鳴る前まで。今日はももクロやお笑いのファンの方々も来ていただけたと思うんですけど、そういう方々に次も見に来たいと思ってもらえたと思います」(佐々木氏)

 この日、DNAの練習生7名が初めてファンの前で紹介された。メキシコにある世界最古のプロレス団体・CMLLでトレーニング経験がある者、アニマル浜口ジム出身者、中国出身のボディビルダー、国士舘大学ラグビー部出身、柔術黒帯など逸材揃いで、プロレスラーを目指す者たちにとってDNAがいかに魅力あるリングとして映っているかが表れている。

 今後は3月14日と4月21日に新宿FACE大会をおこない、その闘いの中でビッグマッチである5・10後楽園ホールのメインイベンターが決まる。これから無限大に成長していく選手たちの過程を追い続ける魅力が、DNAにはある。プロレスは点で見るよりも線で見た方が何倍も楽しめるジャンル。今からでもその中には入っていける。

文◎鈴木健.txt

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