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阪神 金本監督vs掛布SEA派の内紛激化ベンチ裏

 昨季終了後、契約を3年更新し長期政権を手にしたと言われる阪神・金本知憲監督(50)。だが、親会社の株主総会で「元巨人・村田修一獲得」という株主提案があり、足元が揺らぎ始めた。自身が押した年俸3.4億円助っ人ロサリオが二軍落ち、若手も伸び悩んでいる。反対に、村田獲得の費用は激安、二軍監督を追われた掛布雅之SEAの一派が差し向けた“刺客”の構図も見え隠れし、またぞろお家騒動が――。

 毎年、何かと物議を醸す阪神タイガースの親会社『阪急阪神ホールディングス(HD)』の株主総会が今年も6月13日に大阪・梅田芸術劇場メインホールで開催。株主からは、若手路線を突き進む金本監督が最も望まない株主提案が出され、ベンチ裏ではすったもんだが始まった。
 「現在阪神は、借金2のリーグ3位(6月10日現在、以下同)ですが、首位の広島を除く2位DeNAから最下位中日までのゲーム差はわずか2。とりわけ阪神が苦手とする交流戦では今年も11位で、いつリーグ最下位に転落してもおかしくない。そんな状況下での株主総会ですから、辛辣な意見や提案が出されるのは当然です。見逃せないのは、その株主の中に、昨オフ、二軍監督を解任された掛布雅之SEA(オーナー付シニア・エグゼクティブ・アドバイザー)と有力阪神OBの息のかかった人が透けて見えることです」(スポーツ紙デスク)

 球団が最も神経をとがらせているのが、新外国人ロサリオ問題だ。昨季は投手力の整備が功を奏してリーグ2位。そこで昨オフ、金本監督は4番を打てる外国人助っ人の獲得を要望した。
 監督の意向に沿って獲得したのが、ドミニカ出身の元メジャー・リーガーで、昨季まで韓国ハンファ・イーグルスで2年連続で3割、30本塁打、100打点を記録したロサリオ内野手(29)。球団史上最高額となる年俸3.4億円で獲得した。
 ところが、これがとんだ張りぼての大砲。打率2割3分、4本塁打。この4番の不振でチームは開幕から54試合を終え、チーム打率2割3分1厘、27本塁打、174得点。すべてリーグワーストだ。
 金本監督は6月3日、ついに4番・三塁のロサリオを二軍落ちさせ、新外国人獲得が決まるまで島谷敬を三塁へ入れ、大山悠輔を一塁へ回すなどの緊急シフトを敷いた。

 スポーツ紙によれば、阪神は新外国人選手として、カブス傘下3Aアイオワのナバーロ内野手獲得の方向というが、これにも株主たちが猛反発している。
 「新外国人をとれば、3億円超(ロサリオの年俸)の損失を出すことになる。この責任は誰がとる」
 そう糾弾するとともに、
 「慌てて新外国人をとっても、資金の無駄。それなら昨年巨人で4番を打った村田修一(栃木)をとってはどうか。1年前なら年俸2億2000万円だったが、今なら松坂大輔(中日)同様に1500万円程度で獲得できる。中日は松坂効果で観客動員を増やし、阪神に1差まで迫っている」
 と提案。このシナリオを書いたのが、掛布氏周辺の人物と言われている。
 「この株主提案であれば、捨て金程度で済み、親会社の阪急阪神HDにとっては痛くもかゆくもない。受け入れるのは容易でしょう。しかし、金本監督にとっては絶対に譲れない一線。この2年、世代交代を図り、大山、糸原健斗、中谷将大、高山俊らを抜擢。昵懇の片岡篤史一軍ヘッド兼打撃コーチと二人三脚で若手を育ててきたが、その努力と戦略が根本から崩壊しかねないからだ」(阪神担当記者)

 「村田問題」は、任期を2020年まで伸ばした金本監督と、それを阻もうとする掛布SEA一派の“代理戦争”とも言える。そこに一役買っているのが、チームの支柱で、金本監督と確執が続く鳥谷だ。
 金本監督は、ファンに最も人気が高い36歳の鳥谷を「使う場面がなかった」と5月29日のソフトバンク戦で起用せず、1939試合まで続いていた連続試合出場を途切れさせた。以後もベンチスタートが続いたが、チーム事情により先発出場させた7日のオリックス戦で決勝打を放ち、監督の意に反してチームにベテランの力が必要なことを改めて知らしめた。これに、掛布SEAの働きかけで、37歳の村田が加われば、サッカー日本代表のように4年前のチームに逆戻りしてしまいかねない。メディアのバッシングも想定済みだ。
 「村田を入団させれば、チーム内に不協和音が起こり、最下位に転落しかねない。監督の求心力も失う。そこが掛布氏の狙いだろう。コーチのポストが欲しい阪神OBやベテラン糸井嘉男、福留孝介、悩めるエース藤浪晋太郎らを取り込み、手ぐすねを引いて待っている状態だという。村田へのラブコールは、いわばワナ。それが分かっているから、球団が受け入れれば、金本監督がケツをまくる可能性も十分にある」(阪神OBの野球解説者)

 昨年の株主総会では、球団上層部が交代することでファンをなだめたが、今年は打撃不振の責任を取る形で腹心・片岡ヘッドの解任は確実視されている。後任には掛布派の人間の抜てきもあるが、金本監督が容認するはずがない。
 またぞろ、お家芸の内紛劇から目が離せない。

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