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清宮の転機!遅れてきた怪物に「ホームランバッターではない」の声

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清宮幸太郎

 存在感を増したことで、棚上げ状態となっていた「改造計画」が実施されそうだ。
 9月24日のソフトバンク戦で、清宮幸太郎(19)が右翼席にホームランを叩き込んだ。高い放物線を描いた打球は、打った瞬間に「スタンドに入った」と分かるものだった。滞空時間の長い一発を放てるのは、天性の才能によるものであり、これからクライマックスシリーズを戦ううえでも大きなプラスとなるだろう。
「好不調の波はまだ大きいですが、プロのスピードに慣れてきたというか、対戦チームも警戒しています」(プロ野球解説者)
 試合には敗れたが、清宮の一発は「日本ハムは転んでもタダでは起きない」というしぶとさも相手チームに植えつけたようだ。

「三塁手のレアードが故障離脱したため、清宮はシーズン終了まで一軍帯同となります。一軍ピッチャーとの対戦を積み重ね、このまま成長していけば…」(前出・同)
 だが、興味深い証言も得られた。清宮といえば、将来の主砲候補。いずれはホームラン・アーティストとして侍ジャパンの4番も務めると期待されていたが、日本ハムを始め、他の11球団は「異なる未来像」を描いていた。
「どちらかといえば、数(ホームラン)よりも率(打率)を残すタイプになると思う」(球界関係者)
 全ての球団に確認したわけではないが、ちょうど昨年の今頃、清宮の1位指名を狙って動いていた某スカウトも同じような話をしていた。
「滞空時間の長い一発を打てるのは、天性のホームランバッターの素質です。だけど、打撃シーンの映像を見た打撃担当のコーチは『率を残すタイプだ』と話していました」

 技術的な説明は割愛するが、清宮はボールをバットに当てるテクニックが長けているという。
「清宮が力を抜いて、バットに当てることに徹したら、相当な選手になる」(前出・スカウト)
 この件は清宮が尊敬する王貞治ソフトバンク球団会長も同様の評価をしており、将来はホームランも打てる首位打者タイプとして育てていくべきだと話していたそうだ。
「王会長は日本ハムのコーチに就任した緒方耕一氏と食事をし、清宮の成長ぶりを聞かされていました。昨年オフ、日本ハム入りが決まった直後も食事をし、どういうビジョンで清宮を育てていくのかと自分のことのように心配していました」(関係者)
 この時点で、日本ハム首脳陣も「率を残すタイプ」と自身と同じ評価をしていたことに、王会長は安心していたという。

 その清宮が一軍投手のスピードに適応できるようになったことで、日本ハム首脳陣は育成の第2段階に入るという。その第2段階にはコンバートも含まれているそうだ。
「早ければ、シーズン終了後の練習期間から三塁の守備テストをさせてみます。守備はもともと巧いほうではありませんが、なんとかなりそうなレベルにあるなら、来季は『三塁・清宮』でレギュラーを争うことになりそう」(前出・同)
 ここには故障離脱中のレアードとの残留交渉に備える意味もある。レアードは過去、本塁打王のタイトルを獲得するなどチームに大きく貢献してきたが、今季で契約がいったん切れる。親日家でチーム愛も強いが、残留となれば、大幅な年俸増となる。現在の推定年俸は2億5000万円、3億円を提示したとしても、レアード側は難色を示すだろう。よって、状況次第では、清宮がレアードに代わって、来季の三塁を守っているかもしれない。

「清宮は二軍も経験し、また一軍に昇格しても試合に出られない日がありました。『試合に出る』ことに飢えており、試合に出るためなら、不慣れなポジションだって必死になって練習するでしょう」(前出・プロ野球解説者)
 三塁転向案は清宮をブレイクさせるか、それとも成長の足かせとなるか。もっとも、清宮はホームランへのこだわりも強いだけに、周囲の「率を残すタイプ」なる評価を受け入れられないのではないだろうか。(スポーツライター・飯山満)

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