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参院選を左右する巨大宗教票 フリージャーナリスト・山田直樹③

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提供:週刊実話

既存の仕組みが変わる宗教票

 天理教機関紙『天理時報』(2017年5月28日付)には、こんな記事が掲載されている。
〈衆議院議員の玉木雄一郎さん(香梅川分教会所属)は、6日、おさづけの拝戴をした〉〈玉木さんは、『どんな困難な中にあっても“節から芽が出る”と、陽気に通られた教祖のひながたに感銘をうけた。(略)“ようぼく議員”として、陽気ぐらし世界建設の一端を担わせていただきたい』と抱負を語った〉

 2年前のこの時点から玉木氏は出世して、いまや公党代表となった。教団が表向きな政治活動への関与を否定しても、「頼まれれば、選挙で協力します」(天理教分会長)というのだから言行不一致か。

 最も分かりにくいのが、かつては参院自民党の大票田だった『世界救世教』である。現在、この組織の下に2つの主張の異なる宗教法人が存在する。それぞれが、自民党と旧民主党系を支持しており、教会ごとに推薦者が異なるのだ。世界救世教の2つの組織は、今回の参院選で推薦を行わない。ただし――。

 「関連組織に『MOA』という一般社団法人があり、こちらでは選挙での推薦を行っています」(世界救世教幹部)

 よくよく調べると、この組織の『議員連盟』が全国各地、都道府県レベルで存在している。地方議員のブログでは、連盟活動が詳しく述べられていたりする。つまり、宗教団体としての推薦は行わないが、別組織を通しての政治支援活動には熱心なのである。

 『神社本庁』や『霊友会』は、安倍政権の拠り所であり、今回の参院選でも自民党候補を支援する。

 全体を見渡すと、一見、宗教組織の参院選への注力は低調だ。ただし、選挙制度改正や新組織の立ち上げ等々、既存の仕組みが変わるきっかけとなりそうな気配も濃厚である。

 もちろん、創価学会を支持母体とする公明党が現有議席を維持できるのかは、大きな見どころである。

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