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地下プロレス“天国地獄トーナメント”はまさに…負けたら地獄! 8・14『EXIT-83 CORE:Z!!』

 2008年に世界屈指のゲイタウン・新宿二丁目に日本初公開を果たして以降、魔都・新宿を根城に進化を続けてきた地下プロレスが、8月14日に新宿格闘技界の殿堂・新宿FACEに初上陸を果たした。
 新宿FACEでの地下プロレス初開催だが、休日のスケジュールが半年前に埋まるともいわれる興行の激戦地・FACEにおいて、お盆休み真っ只中の同会場を押さえるのはけっしてイージーなことではない。今回の決定には、「いかにも地下」としか言いようのないミステリアスな事情が潜んでいた。実は、8月14日に当初予定されていた興行の主催者が、7月に謎の失踪を遂げていたのだ。その間隙を縫い、電光石火で地下プロレスので8・14開催が決定。このあまりにできすぎたタイミング、よもや謎の失踪にも巨大地下組織・WUW(World Underground Wrestling)が何か一枚噛んでいるのかと勘ぐりたくなってしまうが…。

【地獄トーナメント】
 新宿FACE初開催の地下プロレスで華々しくぶち上げられたのが、「天国地獄トーナメント」という前代未聞の試み。もちろん勝ち抜き戦で優勝者を決める闘いなのだが、このトーナメントはそれだけでは終わらない。詰めかけた観客は、リングアナ・ミスター雁之助の第1試合終了後のアナウンスにより、その全容を初めて知ることとなった。
「勝者・小笠原和彦選手は天国トーナメント準決勝進出、敗者・326選手は地獄トーナメント準決勝進出となります…!」
 最後まで勝ち抜く勝者だけでなく、最後まで負け続ける敗者までも決定するトーナメント! 残酷な現実をあぶり出すこの試みに、“敗者の美学”という概念はない。ただ、“負け残り”という重い現実がのしかかるのみである。
 そして“負け残りファイナリスト”となったのが、入道と326の二人。326は、準決勝のYASU戦でダメージを負った入道の右腕に照準を定める。そして空手家ながら狙いすました腕十字! 入道はたまらずタップし敗北、ついに“地獄トーナメント優勝者”という名の“劣敗者”としてその名を刻み込まれることとなってしまった。
 しかし入道への責め苦は、それだけでは終わらない。入道の敗北が決まった瞬間、場内に流れるメロディは…、“暗黒サラブレッド”ジャガー・ロゴフスキーの入場テーマだ! 3試合闘い抜き、トーナメント最下位となった敗者に、すぐさま帝王ジャガーとの闘いを課せられるという試練…。これほど残酷な特典は、地下のリングにしか存在しない!
 そして嵐のようにジャガーの猛攻に叩き潰され、口から鮮血を噴き出しながらリングをあとにしていった入道。“負け残り”の名を背負いながらリングに上がり続けねばならない入道の今後の闘いに、もはや目を注がずにはいられない。

【メインイベント 天国トーナメント決勝戦】
・小笠原和彦 vs 三州ツバ吉
 一方、栄えある優勝者を決する天国トーナメントは、戦慄の突きと蹴りでKOの山を築く小笠原と、2年連続の富士山頂プロレスを成功に導き、今年も“夏男”として乗りに乗る三州の両者が、決勝戦に駒を進めた。
 極真空手出身の三州にとって小笠原は、かつては雲の上の存在であった。しかし今は地下のリングで雌雄を決する格闘者同士。そこに遠慮や慈悲が入る余地はない。三州は、肉体のビルドアップとともに破壊力を増した蹴りを、躊躇なく小笠原の胸板に叩きつける。蹴りでダメージを与えるとともに小笠原に覆い被さり、渾身のヒザ十字固めで大アップセットを目指す三州だが、“足技の魔術師”小笠原は三州の頭部を蹴りあげ、手刀で背中を乱れ撃ち脱出。そして秘技・後ろ廻し蹴りが炸裂! 大健闘の三州だが、これには立ち上がれずレフェリー・RIKIYAは試合をストップ。ここに小笠原の天国トーナメント優勝が決まった。
 試合後、“先生”小笠原は三州と固く握手・抱擁を交わし、三州の成長を喜んだ。

【セミファイナル スペシャル6人タッグマッチ】
・富豪2夢路&KENDO KEITA&梅澤菊次郎 vs 高岩竜一、怨霊、ブラック・トムキャット
 セミの豪華6人タッグ戦は、暴動のイギリスから急遽帰国の矢野啓太が、イギリスでのリングネーム「KENDO KEITA」でサプライズ登場。WALABEE TV王座を懸けて争った因縁の怨霊とレスリング勝負をまたも繰り広げた他にも、高岩vs夢路、高岩vs梅澤の重量級パワー対決、かねてから続く夢路vsブラック・トムキャットの因縁対決と、様々な対立模様が渦巻く重厚な熱戦となった。
 試合は、師匠・藤原喜明の名を冠した必殺のフジワラ・アームバー(脇固め)で夢路がブラック・トムキャットをねじ伏せ、長く続く因縁に決着を付けた。…かに見えた。
 試合後、唐突に差し出されたブラック・トムキャットの右手を強く握り返し、固く握手を交わした夢路。ついにこの二人に、清々しいノーサイドの瞬間が訪れた。…と誰もが信じた次の瞬間、カナダの虎仮面がマスクを脱ぎ、なんと中から現れたのはリッキー・フジ! 素顔を知った瞬間夢路はあっという間に激昂、リング上は大混乱となった。全国津々浦々で繰り広げられるリッキーと夢路の因縁は、このまま地下のマットにも点火されるのだろうか…?

 全試合結果は以下の通り。

◆地下プロレス『EXIT-83 CORE:Z!!』
2011年8月14日(日)開始:18:30
会場:東京・新宿FACE

<第1試合 天国地獄トーナメント1回戦>
○“足技の魔術師”小笠原和彦(7分39秒 KO)●“執念の空手デビル”326 ※ローキック

<第2試合 天国地獄トーナメント1回戦>
○“ブラジル大車輪”ペドロ高石(4分33秒 KO)●“ジャパニーズ和尚”日龍 ※ハイキック

<第3試合 天国地獄トーナメント1回戦>
○“銀座の鉄人”三州ツバ吉(3分31秒 腕固め)●“求道妖怪”入道

<第4試合 天国地獄トーナメント1回戦>
○“タックル将校”竹嶋健史(3分03秒 腕ひしぎ逆十字固め)●“襲撃メタル”YASU

<第5試合 天国トーナメント準決勝>
○小笠原和彦(4分09秒 KO)●ペドロ高石 ※ローキック

<第6試合 地獄トーナメント準決勝>
○日龍(1分33秒 日龍スリーパー)●326

<第7試合 天国トーナメント準決勝>
○三州ツバ吉(3分08秒 チキンウイング・フェイスロック)●竹嶋健史

<第8試合 地獄トーナメント準決勝>
○YASU(2分32秒 腕ひしぎ逆十字固め)●入道

<第9試合 地獄トーナメント決勝戦>
○326(4分12秒 腕ひしぎ逆十字固め)●入道
※敗者・入道の地獄トーナメント“優勝”が決定。

<第10試合 スペシャル地獄シングルマッチ>
○“暗黒サラブレッド”ジャガー・ロゴフスキー(3分41秒 TKO)●入道 ※ハイキック

<セミファイナル スペシャル6人タッグマッチ>
○“頭突鬼世界一”富豪2夢路、“リバプールの風”KENDO KEITA、“地下横綱”梅澤菊次郎
(17分42秒 フジワラ・アームバー)
“超竜”高岩竜一、“霊界の貴公子”怨霊、●“カナディアン・タイガー”ブラック・トムキャット

<メインイベント 天国トーナメント決勝戦>
○小笠原和彦(11分31秒 TKO)●三州ツバ吉 ※後ろ廻し蹴り
※勝者・小笠原の天国トーナメント優勝が決定。

※試合はすべて時間無制限一本勝負。KO、ギブアップのみで決着。

地下プロレスtwitter
http://twitter.com/Chika_Wrestling
地下プロレス データベース
http://www43.atwiki.jp/wuw-exit/
梶原劇画で伝承された「地下プロレス」が、この日本に存在した! 闇の闘いを伝える『EXIT』とは何か!?
http://npn.co.jp/article/detail/97320773/

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