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小沢一郎民主党代表&鈴木宗男新党大地代表 政界お騒がせタッグ誕生

 北朝鮮による長距離弾道ミサイル発射事件を機に、米・オバマ大統領と麻生首相は強力タッグを結成、国際社会に存在感を示している。そんな中、日本政界にもうひとつのタッグが誕生しつつあるという。かつて“疑惑のデパート”の異名を取った鈴木宗男新党大地代表と、西松事件で正念場を迎える小沢一郎民主党代表の2人だ。にっくき敵「検察」の批判で意気投合した2人は急接近。政界のはしっこで結成された「お騒がせコンビ」は何を生む?

 7日で在任期間3年を迎えたばかりの小沢代表。メール問題で深刻な打撃を受けた党の立て直しに全力を挙げ、2007年の参院選では与野党逆転を達成。その勢いを駆り次期衆院選での政権交代に向け歩を進めてきたが、西松建設巨額献金事件で自身の公設第一秘書が起訴され攻勢ムードは暗転。進退が取りざたされる苦しい立場に追い込まれている。
 「就任以来、1人でも多くの国民との直接対話をやってきた。万年野党的な発想ではなく、現実に政権を担うという意識がみんなの間に芽生えてきている」。7日の記者会見で、3年間の実績について小沢氏はこう強調。党の“体質改善”を主導してきたという強烈な自負をうかがわせた。
 だが現在の小沢氏にそんな感慨に浸っている余裕はない。3月3日の秘書逮捕以来、党内には進退論がくすぶり、気が晴れない日々が続いている。この日の会見でも進退問題に関する質問に「役員会、常任幹事会、議員総会で続投の了承をいただいたばかりだ」といら立ちを隠さなかった。
 小沢氏の進退に焦点が当たるのは07年秋の「大連立」騒動以来2度目。小沢氏は当時の福田康夫首相と連立協議開始で大筋合意したが、役員会で猛反対され、「ぷっつん」して辞意を表明。慰留を受けて撤回したという経緯だった。だが今回は次期衆院選を間近に控えた重要な時期。

 また、民主党が今月下旬に行う衆院300小選挙区を対象とした党の世論調査の扱いをめぐり思惑が交錯している。党に厳しい結果となれば西松事件に絡んで公設秘書が起訴されても続投した小沢一郎代表の進退が再燃するためで、5月の衆院解散が取りざたされる中、続投支持派と批判的な勢力との駆け引きが強まりそうだ。
 小沢氏は今月3日、18、19両日、調査を実施するよう周辺に指示した。小沢氏に距離を置く前原誠司副代表はこの前々日、「今までの調査結果と比較対照する中で、党内全体で議論することが大事だ」と述べ、結果を所属議員に示すよう求めた。
 発言の背景には、06年4月の代表就任以来、小沢氏らが調査結果を独占、今回も小沢氏に都合の悪い結果が出た場合は「隠ぺいして、西松事件の党勢への影響は少ない、と逃げ切るのではないか」(中堅議員)との疑念がある。
 これに対し、鳩山由紀夫幹事長は記者会見で「全員が見れば、メディアに漏れたりする。正確にデータを分析して判断するのは代表、幹事長の責任だ。信頼してほしい」と結果の共有を拒否、小沢代表を擁護している。
 現在、小沢氏の辞任を求める声が沈静化しているのも「解散が近づき、党勢が低迷している場合は小沢氏も辞任を決断するだろう」(若手議員)との期待が続投批判派にもあるため。小沢氏は会見で「必要な情報は個人に伝達している。公表はしない」と言い切ったが、7日の党常任幹事会では長妻昭氏が「調査結果はどこまで公表するのか」とやんわりと情報開示を要求。ほかの議員からも今後、公開を求める声が高まるのは確実だ。小沢氏らが調査結果を示さないままの続投は難しいものとなりそうだ。
 お膝元からの不協和音が日に日に大きくなりつつある小沢氏。そんな中、妙に意見の合う“お友達”を見つけた。鈴木宗男新党大地代表だ。
 小沢氏は7日夜、都内で開かれた鈴木氏のパーティーで、公設第一秘書が起訴された西松事件に関し「政治の世界に公権力、国家権力が口を挟んだり、影響を及ぼすことになれば、民主主義は成り立たない」と述べ、東京地検特捜部のあり方を重ねて批判した。
 02年、特捜部に受託収賄容疑などで逮捕され、刑事裁判中の鈴木氏は「国策捜査を受けた者として言うが、小沢代表の秘書逮捕は検察の暴走だ。検察が正義でなく、正義は国民が判断する」と同調。小沢氏は「鈴木代表とも機会あるたびに話すが、われわれ個人の問題ではない」と“激しく同意”した。
 オバマ大統領と麻生首相の国際タッグをまねたわけでもなかろうが、政界の片隅に突如誕生した“お騒がせタッグ”の目的が、ただの「愚痴を言い合う会」にならないことを祈るばかりだ。

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