面白くないのは霞が関だ。
「財務省がハチの一刺しで安倍倒閣に走り始めた」
永田町、霞が関で、そんな不穏な情報が飛び交い始めている。森友学園(大阪市)への国有地売却を巡る問題で、財務省はこれまで官邸への忖度取引は一切なかったと安倍政権を擁護していたが、それが一転、新資料を次々に明らかにしているからだ。
財務省は2月9日にも、森友学園が土地を購入する以前に賃貸契約交渉をしていた2013年9月から'15年4月に同省で作成された文書を国会に提出している。
「このタイミングで新資料を出してきたということは、安倍政権が財務省と対峙するなら、最後は刺し違いの覚悟もあるという強烈なメッセージだ」(自民党幹部)
霞が関関係者によれば、以前は官邸を牛耳ってきた財務省も、安倍政権下では完全に経産省出身の今井尚哉総理秘書官に牛耳られているという。至上命題だった消費増税も、安倍首相の支持率回復の思惑と経産省の横ヤリで2度も延期されるという憂き目に遭い、恨みは根深い。
「消費増税については、ここへ来て今秋の自民党総裁選で仮に安倍政権が3期目に突入すれば、さらに延期されるとも囁かれ始めた。これで堪忍袋の緒が切れる寸前の財務省では、10%が絶望的となれば安倍倒閣が目的達成への最短コースと覚悟し、森友疑惑で証言を引っ繰り返す腹を固めたというのです」(全国紙政治部記者)
財務省としては、招致により佐川氏がすべてを話せば、安倍首相は昭恵夫人ともども窮地に立たされるという算段だった…。
「確かに昭恵夫人は、売買交渉の最中、学園に対し“応援電話”をした疑惑もあり、相当まずい状況にある。そのため自民党は、近々まで招致に応じる動きを見せていた。つまり、佐川氏を呼んで森友問題を終わりにするということ。それだけ安倍首相は昭恵夫人の招致だけは避けたいわけです」(公明党ベテラン議員)
世論の声は無視! 永田町に“国民不在”の寒風が吹いている。