「缶バッジは直径約3センチ。表面には『ちかんにカンカン!』と『Dont touch me!』の文字に、怒っている女の子のイラストなんですが、この子のデザインがかわいいと評判なんです」(地元記者)
地下鉄利用客に「痴漢防止」を呼びかける手段としては、これまでは〈痴漢は犯罪です!〉といった威圧的なコピーをあしらったポスターが中心だった。しかし、大阪メトロ内部で「痴漢撲滅には被害者からの視点が大切」「普通のお客さんが萎縮する」という意見があり、ソフト路線の“缶バッジ”も採用されたのだ。
これまでのところ人気は上々で、本町の商社に勤務しているOLは、「痴漢の目につきそうな胸元や鞄につけとけば、いい痴漢対策になります。デザインがかわいいから、お洒落に使えるのもいいですね」とニッコリ。女性はもちろん、「家族に渡す」という理由で男性がもらいに来るケースも増えているという。
大阪メトロの関係者も、「バッジとポスター、車内放送の3点セットで痴漢対策の効果は必ず上がると期待しています」と胸を張る。
「混雑時の御堂筋線は、その手の愛好家から“痴漢電車”と呼ばれる有様で、被害が減らない。汚名を返上すべく、全国の地下鉄では初となる車内防犯カメラの設置や、私服警官のパトロール強化などにも力を入れています。その上で、この缶バッジが話題になってくれたので、本当に嬉しい」
とはいえ、痴漢には冤罪もつきものだ。以前、痴漢の冤罪で事情を聴かれたという豊中市の会社員がこうつぶやいた。
「痴漢でカンカンもええけど、その裏では“冤罪でえんえん”の人もいるんやで」
痴漢はアカン!