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内外の評価がウナギ登りの熊崎コミッショナー NPB改革のためオーナー会議にもメスを入れるか

 NPBの熊崎勝彦コミッショナー(73)の評判がすこぶるいい。昨年末、侍ジャパンを運営する『株式会社NPBエンタープライズ』の代表取締役社長を、日本テレビから出向させると決めた際に、大きな混乱が起きなかったのは熊崎コミッショナーの“人徳のおかげ”と言っていい。
 「読売系列の日本テレビから12球団合同会社の社長を迎えるとなれば、巨人以外の球団から強い反発が出るものと思われました。特にパ・リーグは黙っていないと…。でも、『熊崎さんが見込んだ人なら』と、丸く収まりました」(ベテラン記者)

 元東京地検特捜部長の熊崎氏がコミッショナー候補に挙げられた際、パ・リーグは「経営のプロを招聘すべき!」と猛反対した。コミッショナー就任後も最初は身構えていたが、いまでは『熊崎シンパ』に一変したという。
 「いやぁ〜、ワタシは現場の人間だから…」
 これが、熊崎コミッショナーの口グセだ。まず、毎日のように事務局に顔を出し、関係各所と打ち合わせをする。これまでのコミッショナーは1週間に一度顔を出すかどうかといったレベルだったため、NPB職員はその熱意に打たれた。

 熊崎コミッショナーは、前任の加藤良三氏時代に統一球問題の隠蔽体質で失った信頼を取り戻すのが最初の仕事だった。NPBの組織形態に根本的な問題があるとし、事務局を管理、野球運営、事業の3部門に再編成。これまでの縦割り組織を改造し、情報の共有化を図った。この再編成作業で熊崎氏が歴代コミッショナーと違ったのは“丸投げ”にしなかったこと。毎日、他職員と同じ時間に出社し、話し合いを重ねながら、ともに3部門編成に取り組んだのだ。
 「再編成する途中、メジャーリーグなどとの連絡を担う専門組織も必要だと分かり、国際部も設けました。『ワタシは現場の人間だから』と笑いながら、事務局内の机を運んだこともありました」(関係者)

 熊崎コミッショナーは野球の専門家ではない。「勉強を兼ねて」と、出社直後、スポーツ新聞や野球を取り上げた雑誌、ムック本などにも目を通しているという。こうした熱心さが当初は態度を硬化させていたパ・リーグ関係者を変えた。しかし、熊崎シンパに“改宗”しても、皮肉にもオーナー会議の出席率の悪さは変わっていない。
 「12月15日、セパ両リーグ理事会、NPB理事会、12球団実行委員会が開かれ、7時間近いロングランとなりました。でも、決まらなかったのが、2015年度のオーナー会議の議長です」(前出記者)

 オーナー会議の議長は輪番制で、1年ごとのセパの持ち回りとなっている。14年に議長を務めた横浜DeNAの春田真オーナーの後任を決めて新年を迎えたかったのだが、パ・リーグ側で必ず出席するのは、宮内義彦オリックスオーナーと後藤高志埼玉西武オーナーの2人だけ。セは高い出席率を誇るが、パ・リーグは代役を立てるだけで、何かあると「持ち帰って確認します」となるので、物事が先に進まないのだ。
 これにかつて、巨人の渡辺恒雄最高顧問が「怠慢だ!」と怒鳴ったのは有名な話。パ・リーグは経営に関しては最前線を進んでいるが、セ側との協調性に欠ける。このままでは熊崎コミッショナーが特捜部長時代の厳しい目線を向け始めることにもなりかねない。

 2015年は会議上でのパ・リーグの言動に注目が集まりそうだ。

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