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中国のGDPが日本を抜いて、世界2位になっても日本が慌てない理由

 2010年の夏には、中国は日本のGDP(国内総生産)を抜いて、世界第2位の経済大国になることがほぼ確実だ。それに対して、日本国内の反応は至って静かである。

 その理由としては人口比がある。中国の人口は13億人を超えており、日本の人口を1億人として、実に13倍の人口を有するのである。
 そこで、国としてのGDPの総額で日本を抜いても、国民一人当たりのGDPを比較すると、日本の一人当たりのGDP額(08年)は4万2480ドルに対し、中国の一人当たりのGDP額は3260ドル。日本の一人当たりのGDP額は逆に中国の13倍にもなり、一人当たりの金額で中国が日本を追い抜くことは難しい。

 また、中国国内での出稼ぎ労働者の数は、年間1億4000万人を超えると言われている。中国には日本の人口以上の、出稼ぎ労働者が存在するのである。彼等の多くは、都市部の外資系工場に派遣工として従事している。彼等の多くは、中国地方都市の農村部出身である。中国の地域格差の激しさは日本の比ではない。都市部では日本と変わらない生活を送っていても、地方に行くに従い生活水準が下がり、ひどい生活を送っている農村も多いと言う。
 現在の中国の経済発展も、他国と比較して安価な労働力が豊富にあるおかげである。中国に工場を作り、海外進出している多くの海外企業は、その人件費の安さで中国市場に魅力を持つのであって、中国の人件費が諸外国並みに高騰すれば、中国から撤退することになるだろう。

 また国内に激しい経済格差がある中国では、まだまだ日本に追いつくことは難しいとも言えるだろう。しかし、国際社会での発言力に関して言えば、経済規模に左右される面が多いのも事実。
 日本が再び、日の昇る国となることに期待したい。

(藤原真 山口敏太郎事務所)

参照 山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」
http://blog.goo.ne.jp/youkaiou

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