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傍聴記者が語る 映画『凶悪』のモデルになった「上申書殺人事件」裁判“生現場”

 実際の事件を題材にしたノンフィクション小説『凶悪』(新潮社)を原作とした映画『凶悪-ある死刑囚の告発-』が話題を呼んでいる。雑誌記者が死刑囚と面会を重ね、告発の内容の裏取りを行い、最終的に上申書を提出するという内容だ。

 すでにネット上などでは、劇場に足を運んだ人の「怖い!」という感想が多々書き込まれているようだが、そもそも、この題材となった「上申書殺人」とはどんな事件だったのか。
 「当時、別の事件で死刑判決を受け上告中だった元暴力団組長の後藤良次が、'05年に茨城県警に提出した上申書によって発覚した、三つの殺人事件です。この上申書のいずれにも“黒幕”として登場したのが、“先生”と呼ばれていた三上静男。当時、三上は捕まっていませんでしたが、この上申書で第三の殺人が事件化し、逮捕されたのです」(裁判を傍聴していたライター・高橋ユキ氏)

 “第三の事件”となるカーテン屋店主殺害事件は、茨城県阿見町のカーテン店経営・栗山裕さん(当時67)を殺害、保険金約1億円をだまし取ったというもの。糖尿病を患っていた栗山さんに無理矢理酒を飲ませ殺害後、自殺に見せかけるため山中に放置。当初は“自殺”として処理された。

 後に開かれた裁判では、栗山さんの殺人を依頼した家族にも有罪判決が下されたほか、後藤には懲役20年、三上には無期懲役の判決が下っている。
 「裁判では三上の“おとぼけ発言”が目立った。殺人に問われている立場でありながら『かわいそうな人は見てられません! 困った人間をかわいそうと思う』と、涙ながらに大声で訴えたり、『暴力団は好きじゃないんですぅ!』と声高に訴えたり。しかし、三上の家には常日頃から暴力団の人間が出入りしていたそうです。また後藤は控訴審で『計画に則り実行したが、約束された金銭を受け取っていません。被害者の家族からの依頼も受けたわけですから』と、報酬が支払われなかった事をいまだに恨みに思っているようです」(同)

 2人は塀の中で『凶悪』ブームをどう思うのか。

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