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メイウェザーが那須川天心戦のキャンセルを明言!「直ちに中止にしなければいけない」

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『RIZIN.14』記者会見

 「アリ対イノキは私の生まれる前のファイトで、ハイライト映像は見たが、素晴らしいショーだった。私も大みそかにすばらしいショーを見せたい」

 5日に都内で『RIZIN.14』(12月31日さいたまスーパーアリーナ)の目玉カードとして、スーパーファイト、プロボクシング5階級制覇50戦50勝のレジェンド、フロイド・メイウェザー・Jrと、日本格闘技界の“神童”キックボクサー、那須川天心とのドリームマッチが発表されたのだが、会見に合わせて来日したメイウェザーに、「1976年に行われたアントニオ猪木対モハメド・アリを知っていますか?」と質問すると、メイウェザーの口から「ショー」という言葉が飛び出した。

 日本とアメリカで「ショー」という言葉の解釈は違ったりもするのだが、メイウェザーは会見中「エンターテインメント」という言葉を盛んに使っていたのが非常に気になった。というのも、メイウェザーとRIZINはエキシビション契約をしたという情報があったにもかかわらず、当日、RIZINの榊原信行実行委員長から発せられたのは「エキシビションというのは、レガースとかヘッドギアを付けてやることという意味ではなく、非公式試合ということ。この試合は非公式な真剣勝負」と真剣勝負であることを強調。天心も「僕は絶対に勝ちます。僕はこの拳で世界を変えるために生まれたからです」とツイッターで発信。また、昨年8月にUFCでメイウェザーとボクシングルールで対戦し敗戦したコナー・マクレガーに対しても、天心は英語で「こんにちは、ミスター・マクレガー。僕の名は那須川天心。ジャッキー・チェンじゃありません。あなたの仇を討ってあげると約束します、だから僕の試合を見てください」と当然ながら完全に本気モードだった。

 しかし、日本時間の8日、メイウェザーは自身のインスタグラムを更新し、衝撃のコメントを出したのだ。

 「何よりもまず、私は那須川天心との公式戦に1度も同意していないことをはっきりさせておきたい」「3分3Rのエキジビションを頼まれていた」「エキシビションだと聞いていて、公式戦、ましてや全世界発信など知らされてない。会見場で新しい方針を聞いて“やられた”と思ったので、直ちに中止にしないといけない」と中止を明言した上で、RIZINを非難。また、RIZINを仲介したONE ENTERTAINMENTのブレッド・ジョンソン氏からは「少人数の金持ちの前でやるスペシャルバウトと聞いていた」そうで、ブレッド氏も「対戦相手が那須川天心であること。この試合が公式戦であること」を知らされてなかったとしている。「会見場で明らかにしなかったのは大きな騒ぎにしたくなかった」とのこと。「この会見で発表したことを拡散してくれたファンにはお詫びしたい。会見のために世界中から駆けつけた人たちに申し訳ない」など長文を綴っている。会見では試合のハイライトを見たと話していた天心についても、「今回、日本へ訪れるまで彼のことは聞いたことがなかった」と会見で自身が話した内容を否定した。

 これは試合で来日するまでエキシビションだと思っていたプロボクシングヘビー級王者のアリと、本気でアリを倒そうとアリ対策を練っていたプロレスラー猪木の構図と全く同じ。猪木対アリはアリ側がルールで猪木を縛りつけた上で試合を決行したが、その後アリは入院を余儀なくされている。会見場でメイウェザーは写真撮影も早々に切り上げており、会見内容に対してかなりの不満があったものと思われるが、「公式戦」とは聞いていないというメイウェザー側と「非公式試合の真剣勝負」と話しているRIZIN側の溝は今後埋まるのだろうか?

 「これから揉めるのは間違いない。今でも揉めてますから。ただ、大みそかのRIZINのリングでメイウェザーが天心と対戦するのは間違いありません」

会 見後の囲み会見でこのように語っていた榊原実行委員長なだけに、RIZIN側もタダでは引き下がれない状況に追い込まれている。だが、メイウェザー側にギャランティーを全額納められてないことや、権利の問題からフジテレビ系列の地上波でメイウェザー対天心を中継できるのかも、「まだ調整している段階」だという。あの猪木対アリもアリ側の権利の関係で、ビデオ化はもちろん、映像の再使用まで世紀を跨いでしまったのだ。あの時代よりもアメリカの権利ビジネスは発展しているだけに、一筋縄ではいかない。

 メイウェザーの一方的なコメントを受けて、RIZINがどのような対応をするのか注目される。ちなみにチケットはカード発表後、もの凄い勢いで売れている。

 どんな結末になろうともRIZINには、「強いやつとは試合をする」「この拳で世界は変えられる」というストレートな気持ちを胸にこの試合も即答で引き受けた天心を守ってもらいたい。

取材・文・写真 / どら増田

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