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現状維持相当の谷繁兼任監督も“見せしめ”の大減俸! “鬼”の中日・落合GMが約8億3000万円のコストカットに成功

 12年ぶりのBクラス転落、観客動員数減の責任を取らされる形で、情け容赦ない大減俸が敢行されていた中日ドラゴンズの契約更改は、11月20日、谷繁元信捕手兼任監督(42)が大トリで登場した。

 谷繁の今季年俸は1億9000万円だったが、他の選手への“見せしめ”とも思える32%ダウン(6000万円減)の大幅減となる1億3000万円でサインした。谷繁は監督として、年俸1億円の4年契約を結んだ。

 これで、中日はFA宣言した中田賢一投手(31)を除く、日本人全選手の契約更改が早々と終了。ただの一人も保留者が出ないという異例の事態となった。

 今季の谷繁は130試合に出場し、379打数82安打6本塁打34打点、打率.216の成績だった。昨季は134試合出場で、386打数88安打5本塁打32打点、打率.228で、今季とほぼ変わらぬ成績。マイナス材料といえば、今季は規定打席にわずかに足りなかった点と、盗塁阻止率が下がった点くらい。この程度なら、現状維持か微減が相当と思われるが、よもやの大減俸となった。

 「捕手としてチームが勝てなかったのが原因」と自身に言い聞かせた谷繁だが、内心じくじたる思いがあることは容易に察せられる。

 契約更改を担当した策士・落合博満GM(59)の狙いは、「成績が下がっていない谷繁監督も大減俸させられたのだから、他の選手も文句はいえない」との状況をつくりたかったとも見てとれる。

 野球協約で定められた減額制限(1億円超は40%、1億円未満は25%)ギリギリまで下げられた選手は、エースの吉見一起投手(29=2億9000万円→1億7400万円)を始め、実に計20選手。

 減額制限を超える大減俸(選手が了承すれば可)をされたのは、60%ダウンの朝倉健太投手(32=4500万円→1800万円)、52%ダウンの山内壮馬投手(28=4200万円→2000万円)ら4選手。一度、自由契約になり再契約した川上憲伸投手(38)も、50%ダウン(6000万円→3000万円)となった。

 また、プロ球界にはドラフト上位で入団した選手の初年度は、活躍できなくても大きな減俸はしないというのが不文律となっていた。これは、「冷たい球団」と思われて、スカウティングしにくくなるのを回避するためだが、“鬼”の落合GMは、この慣習も無視。1軍で働けなかったドラフト1位の福谷浩司投手(22=慶応大出)、同2位の浜田達郎(19=愛工大名電高出)ら、4位までの上位指名全選手を、減額制限いっぱいの25%ダウンとする非情さも見せた。

 これで、中日は2億5000万円から88%ダウンの3000万円の提示を蹴って、退団(自由契約)した井端弘和内野手(38=※注1)のマイナス分も含めると、実に8億2940万円のコストカットに成功した。

 ただ、落合GMはムチだけではなく、アメも与えた。チーム最多登板(66試合)で、7勝(5敗)2セーブを挙げた岡田俊哉投手(21)は、球団の投手最高の上げ幅となる417%アップ(580万円→3000万円)を勝ち取った。チーム唯一の2ケタ勝利(10勝10敗)となった大野雄大投手(25)は、60%アップ(1750万円→2800万円)するなど、「成績を上げればアップする」との実例も、しっかり示した。

 球団にとって、落合GMは、これ以上ない“いい仕事”をしてくれたわけだが、問題は来季。大減俸された選手たちがモチベーションをなくして、成績が上がらなければ、元も子もない。谷繁兼任監督は「来年は選手全員で頑張って、GMを困らせたい」と話したが、懐が寒くなった中日の選手たちが、来季発奮するのだろうか?

※注1※井端の年俸は当初1億9000万円と推定されていたが、2億5000万円と判明した
※上記年俸金額はすべて推定
(落合一郎)

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