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【帰ってきたアイドル親衛隊】作詞・秋元康、作曲・小室哲哉だった堀ちえみ引退曲

 1980年の松田聖子のデビューにより、80年代アイドルが注目されるようになったが、82年に多くのアイドルがデビューを果たし、本当のアイドルブームの幕開けとなった。この年には小泉今日子、中森明菜、堀ちえみ、石川秀美、早見優、三田寛子などがデビューして、後に花の82年組なんて呼ばれるようになった。当時はデビューする前の82年組で誰が好きかなんてクラスで盛り上がり、私は堀ちえみが気になり、早速ファンクラブにも入会してしまった。

 その頃はデビュー前ということで、実際に生で観れる機会がまだあまり無かったが、デビュー日の3月21日に豊島園でデビューイベントが行われることが決まったので、そのイベントに行くつもいでいた。しかし当日の天気は雨。私はイベントは中止か延期だろうと思い込んで、現場に行くのをやめてしまった。しかし実際は、野外から室内に場所を移しイベントは開催されていたのだ。いきなり悔しい思いをしてしまい、堀ちえみとの初遭遇には至らなかった。

 私にとっての堀ちえみと初めて遭遇することになったのは、5月2日にサンシャイン噴水広場で行われたデビューイベントである。デビュー曲の『潮風の少女』を歌い、会場の盛り上がりも異常だった。続いて4月に始まったばかりの堀ちえみ主演ドラマ『メチャン子ミッキー』(TBS系)の主題歌『メルシ・ボク』を歌う予定だったが、予想以上にファンが集まってトラブルが発生したため、途中にも関わらずイベントは中止になってしまった。狭いスペースでスシヅメ状態で、今で言うモッシュが繰り返されて、おそらく怪我人も出たのではないかと思う。私にとっては最悪の状況でのスタートだったが、逆にこんなハプニングが起きたことで、最高の思い出になっている。

 7月になると、わずかデビュー4か月で1stコンサートの開催が決まった。場所は中野サンプラザ。ここは「ホリプロタレントスカウトキャラバン」でグランプリを獲得した聖地でもあり、ファンにとっても大事な場所だった。このコンサートではセンター2列目の席をゲットした。この至近距離は何なんだと思うほどの近い距離で、歴史的1stコンサートを観ることができたのは、我ながら誇りである。ここで「ちえみぢゃ〜ん」とコールすると、ニコッと微笑んでくれて、返事までしてくれてた。これはタカまらない訳ないですよ。

 この頃からはデビュー年ということで、各局が主催する音楽祭の予選が頻繁に行われるようになった。もちろん堀ちえみは参加しているのだが、同期のアイドルも多数出ているので、この現場は本当に楽しめる最高の場所と言えただろう。

 デビュー元年となった82年だけでも20回は彼女に会ったのではないかと思う。怒涛の1年だったが、翌年以降は歌番組にも頻繁に出演するようになって、月曜の『ザ・トップテン』と木曜の『ザ・ベストテン』の出待ちを定番にしつつあった。まだこの頃はアイドル好きには人気でも、一般知名度はあまり高くなかったが、そんな時に彼女にとって大きなターニングポイントが訪れた。ドラマ『スチュワーデス物語』(TBS系)の主演に抜擢されて、誰もが知っているアイドルへと成長したのだ。以降もドラマの主役を立て続けに演じるようになり、誰もが認めるトップアイドルへ上り詰めた。84年には『NHK紅白歌合戦』に『東京Sugar Town』で初出場を果たし、ここからどんな展開になっていくのか楽しみだった。

 アイドル、女優、そしてバラエティタレントとマルチに活躍していたのだが、87年2月15日に20歳の誕生日を迎えたところで、3月31日をもって芸能界を引退すると宣言。当時高校3年生だった私は、この卒業までの1か月ちょっとは、全力で彼女を応援しようと決意をし、公開収録やイベントなどに参加して、悔いの残らないヲタライフを邁進していった。3月21日にラストシングル『愛を今信じていたい』が発売されると、引退のカウントダウンが始まったようで、本音を言うとこのシングルが発売されるのが怖かった。ちなみにこの曲の作詞は秋元康氏で作曲が小室哲哉氏である。今では考えられない夢のコラボが実現されていた。

 3月31日を持って芸能界を引退してしまったが、私はこの日をもって高校生では無くなった。堀ちえみの引退ということで、心にポッカリと穴が開いた感じだったが、卒業から2か月後の5月末には、偶然だが私が芸人としてホリプロにお世話になることになった。入れ違いで同じ時代に一緒にホリプロで活動することは無かったが、私は青春の忘れ物を取りにホリプロに行った感じであったのかもしれない。

 引退から約2年が経ち結婚して出産。さらに芸能界に復活するのだが、今では子沢山のタレントとして活動しているが、彼女をテレビや雑誌で見るたびに、アイドル当時の思い出が走馬灯のように蘇ってくる。もちろん思い出はキレイなままです。

(ブレーメン大島=毎週土曜日に掲載)

【ブレーメン大島】
 小学生の頃からアイドル現場に通い、高校時代は『夕やけニャンニャン』に素人ながらレギュラーで出演。同番組の「夕ニャン大相撲」では元レスリング部のテクニックを駆使して、暴れまわった。高校卒業後は芸人、プロレスのリングアナウンサー、放送作家として活動。現在は「プロのアイドルヲタク」としてアイドルをメインに取材するほか、かつて広島カープの応援団にも所属していたほどの熱狂的ファンとしての顔や、自称日本で唯一の盆踊りヲタとしの顔を持つことから、全国を飛び回る生活を送っている。最近、気になるアイドルはNMB48の三田麻央。

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