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悦楽の1冊 『俺たちはどう生きるか』大竹まこと 集英社新書 820円(本体価格)

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提供:週刊実話

★歯に衣着せぬ人気芸人の赤裸々エッセー

 筆者の少年期、テレビに映る大竹まこと氏に抱いた印象は「とにかくいつも何かに激しく怒っている人」だった。

 きたろう、斉木しげる両氏との「シティボーイズ」(今年で結成40周年、おめでとうございます)としてライブの舞台で繰り広げられるコントは、いわゆる“社会風刺”だの“政治を斬る”ようなタイプと全く無縁の芸風だが、ことテレビとなるとバラエティー番組に限らず、あらゆる登場場面で大竹氏は、一度は必ず鋭いツッコミというより、時には狂気を帯びて周囲を怒鳴り散らしていた記憶が残る。それが今思えば『夕やけニャンニャン』や『パオパオチャンネル』といった明らかにガキ向けの番組においてすら。

 しかし「文筆家・大竹まこと」の話となれば様相は全く違ってくる。穏やかで端正な筆致で淡々と綴られる文章が、どこか遠くに置き忘れてきた感情を静かに揺さぶられるかの如き煥起力を秘めて素晴らしい。

 “抱腹絶倒の面白エピソード”が、これでもかと盛り込まれているわけではない。古稀を迎える氏の含蓄深い“芸談”を思わせるものが聞けるわけでもない。

 気が付けば勝手にどこかで「人生100年」を生きねばならないことに決められてしまっている、そんな時代をどうしのぐかへの覚悟(将棋で連勝中の当時の藤井聡太四段の話題を振られて「誰か藤井を止めろ」「ネクタイをちゃんと締めろ」と番組中に叫んだらツイッター上で“炎上”した一件など象徴的)に、希望を小さじ二杯ほどまぶして語られるエッセイ集。著者の直筆原稿も乙な味。

 15年前に角川書店から出た氏の『結論、思い出だけを抱いて死ぬのだ』は掛け値なしの良書、名著である。一刻も早い文庫化か復刊を、強く熱く願うばかりだ。
_(居島一平/芸人)

【昇天の1冊】

・看板に4つ以上の診療科目を掲げている
・高齢者に次々と薬を出す
・愛想がない、態度も悪い

 「医者あるある」ではないだろうか。診てもらってはいけない医者の特徴だそうだ。

 これらの項目をズラリと並べて警鐘を鳴らすのが、『医者が教える「ヤブ医者」の見分け方』(ゴマブックス/1500円+税)。著者はとうきょうスカイツリー駅前内科院長の金子俊之氏。専門はリウマチ・膠原病。間違った処方で悪化した若い女性患者の治療を数多く手がけてきた経験から、この本を執筆したという。

 本当に「あるある!」と、ついうなずいてしまう内容なのである。他にも、
・必要以上に来院させる(いったい、いつまで通院するんだよ?)
・ホームページがない(いまどき口コミがない?)

 ( )内は患者の心情を代弁したものだが、実際にこういう病院は少なくない。だが、ヤブとは判断できなかった。この本はズバリ言う。口コミが五つ星であっても、そんなものは金で買える…と。

 現役の医師がここまで言うのは、衝撃的である。だが、患者が薄々「怪しくね〜か?」と感じていたことをはっきり物申してくれる。

 また、後半は患者とのQ&A方式で、素朴な疑問に答える項目が22個。「医者は金持ちなんですか?」と、聞きたくてもクチにできなかった質問にも、丁寧に回答してくれる。

 生活する上で避けては通れない医者との付き合い方を、再考できる1冊だ。
(小林明/編集プロダクション『ディラナダチ』代表)

【話題の1冊】著者インタビュー ラファエル
無一文からのドリーム 宝島社 1,200円(本体価格)

★一つだけ自分の席が残されていた感じだった

――会社員時代は高収入だったにも関わらず、なぜ、YouTuberになろうと思ったのですか?
ラファエル 定時制高校卒業後、パチンコ屋のアルバイトをしていましたが、友人が自衛隊に入隊した話を聞き、軽いノリで自分もテストを受けました。自衛隊では“仕事のミスは国民が死ぬ”という教えがあり、仕事に対して真剣に取り組むマインドが確立しました。自衛隊のお陰で自分自身が急成長できました。その後、営業マン時代は「絶対に1千万円以上稼いでやる」と決心し、実際に達成しましたが、同時に金遣いも荒くなり、常に金欠でしたね。そんな時にYouTuberを知り、「これは稼げる」と思ったんです。

――YouTuberとしてブレイクするために、どんなことを心掛けていたのでしょうか?
ラファエル 当初は他の人気YouTuberがやっていた商品紹介をしていました。まだ、サラリーマンだったので、絶対、会社関係者に身バレしないように顔を仮面で隠しました。フードスタイルにしたのは、毎回、私服や髪型を変える必要がなくなるからです。当時は、一夜にして何百万人と登録者数が増えていく時代でした。丁度、一席だけ自分の座れる場所が残されていた感じでしたね。何かきっかけがあればブレイクすると思っていたので、それまで辛抱強く継続させることを心掛けていました。

――今年1月、規約違反があるとして、突如BAN(アカウントの停止)されましたね…。
ラファエル 面白い動画を作ろうとルールを無視していたら、突然、BANされました。今まで作った動画がすべて削除されてしまいましたが、不思議と焦りはありませんでした。むしろ、これをチャンスに変え、さらなる成長を考えたら、逆にワクワクしたくらいです。
 実際に再開したチャンネルでは、企業案件(タイアップ広告)も増え、さらに収益も伸びました。今後、悪夢のような事態が突如として勃発しても、ブレずに平常心で、自分の目で見たものだけを信じれば、問題はありません。突然の終わりに対応できる臨戦態勢は、常に整えています。

――YouTuberとして成功したラファエル流の“仕事術”を教えてください。
ラファエル まず成功するイメージを持ってください。そして、やりたいことではなく“できること”を始めてください。徹底した管理を心掛け、周囲の人たちときちんと付き合うことも大切です。安心して歩みを止めてしまったら、ただ、老いていくだけです。“人生迷ったらやる”です。
_(聞き手/程原ケン)

ラファエル
YouTuber、実業家。大阪府生まれ。定時制高校を卒業後、パチンコ店に勤務。その後、自衛隊や営業職などを経てYouTuberに転身。自衛隊で鍛え抜かれた肉体、営業職で培ったトーク力とビジネスセンスを武器に、瞬く間に人気YouTuberの仲間入りを果たす。

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