search
とじる
トップ > その他 > ワンダーフェスティバルの本来の主役、原型師たち本業は?

ワンダーフェスティバルの本来の主役、原型師たち本業は?

 9日、世界最大のガレージキット&フィギュアイベント、「ワンダーフェスティバル2014(冬)」が、千葉県の幕張メッセで行われた。

 最近は多数の企業が参加し、新作アニメのキャスト陣が出演してのトークイベントも開かれることから、企業中心のイベントと思われることも多くなった。しかし、元々は一般参加のアマチュアディーラーが、当日だけ許諾をして販売することができる「1日版権」というシステムを利用し、アニメや特撮などのキャラクターをガレージキット化し作品を展示・即売するという場だ。今回は、そんなアマチュアディーラーの人達に注目したい。

 アマチュアディーラーは「原型師」と呼ばれ、多くの人は本業の合間にガレージキット作りを行っている。シリコン製で、柔らかいフィギュア・ドール用の差し替えボディを販売していた40代後半の男性は、普段はベテランの電気工事士とのことで、イベントに参加している理由を、「仕事で使う電線が、『半端にあまってるなー』と思いまして、これをフィギュアの骨組みに使って、ボディを可動させることができるんじゃないかと思い数年前から始めました。シリコンも、現場でよく使うものなので扱い慣れてますしね(笑)」と語った。しかし採算的には作成費用を補填できるくらいにしかならないらしく、「まあ、こういうのが好きなんで、完全に趣味ですよねー」と答えた。

 こういった自分の本職を活かして参加している人は多いようで、アニメ系のガレージキットを公開していた30代のアマチュアディーラーは歯科技工士の仕事の合間を利用して制作活動を行っている。「入れ歯などの型を作る機材って、そのままガレージキット作りにも使えるんですよ。いや、本業と使う機材はわけてますよ(笑)」と成形用の手持ち式の電動ドリルやヤスリが役立つと話した。また、素材として使うPVC(フィギュアなどの形を作る樹脂)も入れ歯の型で使うものと同じで、製品加工用の溶剤も共通だという。

 しかし、本業が専門職じゃない会社員の参加者も当然いる、シュモクザメのガレージキットを販売していた京都府在住の40代男性は、「歯科技工士とかやってる人は専門の溶剤を使っていますが、僕なんかは表面仕上げに育毛シャンプーを使ってますね。結構いいんですよ」と専門的な薬品がない場合の工夫の仕方を教えてくれた。

 ワンダーフェスティバルは数千人のアマチュアディーラー参加者がいるが、これだけで生計を立てている人というのは、その内の一握にも満たない。参加者は自分がアニメや特撮が好きだという理由だけで完成度の高いガレージキット作りを行っているのだ。(斎藤雅道)

関連記事

関連画像

もっと見る


その他→

 

特集

関連ニュース

ピックアップ

新着ニュース→

もっと見る→

その他→

もっと見る→

注目タグ