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あの県議号泣の『城崎温泉』払拭! “外湯めぐり”で「関西の奥座敷」が復活

 『城の崎にて』(志賀直哉作)は生と死を考えさせられる有名な文学だが、城崎温泉と言えば、“号泣議員”として名をとどろかせた野々村竜太郎元兵庫県議が思い起こされる。
 兵庫県富岡市の2014年、政務活動費の不正使用を問われ当時、野々村県議が足しげく通っていた温泉地。その「関西の奥座敷」がいま、ようやく復活し始めているという。
 「城崎温泉には外国人観光客が急増。問い合わせまで含めると今年は前年の3倍増で、15000人を突破しそうな勢いです。当初のままではインバウンド市場に取り残されるという危機感がありましたが、マーケティング調査をしっかり行った結果が実りました」(旅行会社関係者)

 小規模な旅館やホテルが中心の城崎では、中国人観光客のような大所帯には対応しづらい面があった。
 そこで個人や家族単位の旅行客に向け、各所の温泉をまわる「外湯めぐり」を積極的にアピール。これが体験型の観光を好む欧米人に受け入れられ、活況につながっているという。
 「観光案内所には、外国語のパンフレットはもちろんのこと、アメリカ人女性を待機させ案内をするという徹底ぶり。少し前からは想像できないほど賑わっています」(地元記者)

 しかし、そこに至るまでには、インバウンドへの対応以上に、やはり野々村氏によるイメージダウンが大きく立ちはだかっていた。
 「野々村氏が当時、政務活動費を使い日帰り出張で城崎温泉を訪れていたのが、なんと年106回。いいように取れば何回でも行きたくなるような街ということでしょうが、まったくそうはならなかった。テレビでは毎日のように号泣する野々村氏と城崎が交互に映し出され、志賀直哉の『城の崎にて』の舞台になった静かで文化的なイメージは吹っ飛んでしまった。影響はかなりのものでしたよ」(ある温泉旅館の関係者)

 観光協会関係者もこう言う。
 「痛かったのは観光客の落ち込みというよりも、実際に出張などで訪れるお客さんの利用が減ってしまったこと。本来は父親が出張で訪れて、その父親が自分の家族を連れてくるという流れがあったのですが、それも一時は減ってしまいましたからね」

 そこでイメージを挽回すべく地道なキャンペーン活動を行って「外湯めぐり」を定着させ、現在の活況につながったという。
 ただし、今もって「城崎の名前を出しただけで笑われる」ことがあるというから、まったく厄介な話だ。

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