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暴走ゼロ戦マニアの実態

 一部のゼロ戦マニアが暴走した。旧日本軍のゼロ戦や軍艦の弾丸を南太平洋の海に潜って手に入れ、日本の自宅へ送ったなどとして、警視庁生活環境課は22日、火薬類取締法違反(輸入、所持)の疑いで東京都足立区の地方公務員(41)ら男3人を書類送検した。暴走ゼロ戦マニアの驚がくの実態を暴く。

 わざわざ海外まで出掛け、沈没したゼロ戦目指してダイビング。そこまでやるか! と呆れるばかりだが、熱心な軍事マニアには「よくある話」(事情通)という。アイドルヲタクが生のアイドルに触れたがるのと同じことなんだそうだ。
 警視庁によると、3人は太平洋戦争の激戦地トラック諸島(ミクロネシア連邦チューク州)でダイビングをし、水深約30メートルの海底に沈む戦闘機や軍艦から計器や弾丸を取り出していた。3人とも子供のころから戦闘機や軍艦のマニアで「趣味が高じて輸入し、自宅に飾っていた」と供述している。
 送検容疑は2月中旬、ミクロネシア連邦から航空小包郵便で、火薬が入った戦闘機の弾丸(長さ約18センチ)3発、軍艦の弾丸(同8センチ)5発を無許可で輸入したほか、自宅に計10発の銃弾を所持していた疑い。
 「コンピューターのパーツ」と偽って成田空港に着いた弾丸を東京税関が発見。警視庁の鑑定で発火可能な火薬が入っていることが判明した。

 トラック諸島はマニア向け雑誌などでゼロ戦や軍艦が多数沈む場所として紹介されている。警視庁は3人がダイビングの免許を取得し、2006年ごろから数回現地を訪れ、部品などを輸入していたとみている。
 戦時中、トラック島に一大軍事拠点を持っていた大日本帝国海軍は1944年2月、米軍の急襲を受けて巡洋艦など多くの艦船を失った。主力のゼロ戦を含む数百機の戦闘機が撃墜され、いまも海の底に沈んでいる。
 前出の事情通は「本物を欲しい気持ちはわかるが、ほとんどのゼロ戦マニアは写真や模型などで満足する。ネットオークションではゼロ戦の部品実物が数十万円で落札されることもあり、商売目当ての不埒な輩もいる」と指摘する。
 ゼロ戦は正式名称を零式艦上戦闘機といい、1940年8月19日に実戦デビュー。旋回性や加速性などに優れ、当時の戦闘機のレベルとしては考えられないほど飛距離が長かった。

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