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ドラフト戦線異常アリ! 2014年のキーワードは「外れ1位」(北海道日本ハム編)

 スカウト会議が10月16日に招集されたのは既報通りだが、クライマックスシリーズ第2ステージの真っ只中に栗山英樹監督(53)も同席させ、指名候補を映したVTRを3時間近く流したという。今さらだが、日本ハムのドラフト戦略は「ブレない」。他球団との競合や周辺情報に惑わされることなく、その年のナンバー1を獲りに行く。一貫した方針のあるチームなのだ。

 2011年、菅野智之(現巨人)を1位入札したときのことだ。菅野の名前がアナウンスされるなり、ドラフト会場のホテルで待機していたチーム関係者が、「えっ!?」と声を上げた。菅野の強行指名を知らされていなかったという。また、翌12年の夏の甲子園大会中、ほんの数分だが、別の関係者と話をすることができた。「今年の1位指名は、大谷(翔平/現日本ハム)ですか」と聞いたら、
 「いや、本当に分からないんだよ」
 と返してきた。
 メジャー志望だった大谷の強行指名は、学校、家族への配慮もあって、事前表明された。しかし、菅野の強行指名を当日まで知らなかったと話す球団関係者は1人や2人ではなかった。マスコミ取材でドラフトというトップシークレットを明かす関係者はいないが、複数から聞かれた「菅野の強行指名を知らなかった発言」が本当ならば、この球団の1位指名は、ごく一部の要人だけで決められているのではないだろうか。

 チーム編成に絶大な権限を持っているのは、山田正雄GM。その年のナンバー1を獲るチーム方針から考えると、1位候補は、有原航平(早大)、安楽智大(済美高)、高橋光成(前橋育英)、山崎康晃(亜大)だが、彼らの指名入札が他球団と重複するのは必至で、『外れ1位候補』も他球団と被るだろう。
 昨季、日本ハムは1位指名の抽選で3度外れている。ここまでクジ運に見放されれば、『将来性』に切換え、高校生野手・渡辺諒を選ぶしかなかったのだろう。同様に、日本ハムスカウト陣は『独自の視点』も持っている。11年ドラフトでソフトボール部在籍の大嶋匠捕手を指名しており、今年もそんな異色指名があるとしたら、独立リーグ・信濃グランセーズの右腕・井坂肇(24)が考えられる。地元優先ならば、北海道・北照高左腕、斉藤綱記だろう。この斉藤のもとには「複数球団の調査書が届いている」という。身長180センチ・体重83?と恵まれた体の好左腕を他球団がさらうのを黙って見ているとは思えない。まして、日本ハムは次世代の『左の先発投手』が育っていない。
 左腕投手の補強を考えているのなら、JR東日本の左腕・坂寄晴一が選ばれるのではないだろうか。坂寄は今年5月の巨人二軍との交流戦に先発し、5回パーフェクトと“結果”を出している。真っ直ぐは速くない。だが、変化球を低めに集め、緩急で勝負することができる。社会人大会を視察してきた他球団のスカウトはこの坂寄に対し、慎重な物言いをしていたが、日本ハムの今成泰章スカウトは巨人二軍戦の時点で、「成長した。実戦向き」と言い切っていた。

 「内野手を探している」との情報もある。PL学園の主将・中川圭太(二塁手)と、九州国際大付高の古澤勝吾(遊撃手)を高評価しているという。芝草宇宙スカウトが夏の甲子園予選でこの中川を見ており、一部メディアに「体も大きいし、(打撃が)力強い」とコメントしていた。同校が不祥事で学校長が“代理監督”となり、生徒主体で夏の甲子園予選を戦ったのは有名だが、チームをまとめたリーダーシップぶりは、プロ野球界でも一目置かれている。しかも、一発だけではなく、走れるタイプでもある。ベテラン・金子誠の引退、捕手登録の近藤健介に三塁を守らす状況を考えると、栗山監督は三遊間を守れる選手を欲していると思われるが、日本ハムは育成のチームでもある。「各守備位置の極意はプロで教える方針」なので、問題はないだろう。

 古澤はこれまで大々的に報じられたことがない。同校に超高校級捕手・清水優心もいたためだが、実は、地元・ソフトバンクも早くからチェックしてきた有望高校生の1人で、「走攻守の平均値が高い選手」だそうだ。古澤、清水のいる九州国際大付高の視察にあたってきた日本ハムスカウトの1人に、大渕隆スカウトディレクターがいる。大渕氏は陽岱鋼、斎藤佑樹、大谷翔平の交渉に当たった“球団の要人”だ。「ごく一部が極秘裏に指名選手を選ぶ」なる推測が間違っていなければ、古澤も指名リストに入っているはずだが…。(了)

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