9月27日の観客動員数が2万5397人。東京ドームでの巨人主催ゲームでは史上初の3万人割れ。だが、チームスタッフはすでに覚悟していたようだった。
「前売りチケットの売れ行きがよくないと聞いていましたからね。原因はいくつか考えられます。広島の優勝が決まった後で、人気のない中日戦だったこと。また、タイトル争いに影響しない試合でもありました。首位打者争いを繰り広げている坂本勇人は出場しましたが、防御率、奪三振の二冠を狙う(当時)菅野智之の登板日でもなかった。ファンの興味を煽るような試合にならなかったのです」(関係者)
高橋由伸監督(41)に好感を持つファンは多い。今季から就任した新監督へのご祝儀ではないが、「優勝は逃したが、最後まで応援してやろう」というファン心理とはならなかったことも、巨人関係者にショックを与えた。
「オレンジ色のレプリカユニホームを配るなど、営業は必死の巻き返しを行っていましたが」(担当記者)
同時に、二つの課題が口にされた。一つは「やはり、優勝しなければダメ」というもの。もう一つは「客を呼べる選手がいない」だ。
「近年のチーム編成に影響してくる話です。巨人のドラフト戦略は『実力主義』で1位候補を絞り込んできました。その方針は間違っていないと今も思っていますが、他球団は甲子園スターや、その年の目玉選手をまず獲ってくる。特にパ・リーグの球団がそうでした」(前出・関係者)
今秋のドラフト候補は将来性はともかく、即戦力系の投手が少ないという。夏の甲子園大会でも、これといったスター選手は出現しておらず、早実の清宮幸太郎はまだ2年生だ。獲得リストに将来のスター候補選手が不在となり、そこで再浮上してきたのが、元甲子園スターで東京六大学の雄だった北海道日本ハムの斎藤佑樹(27)である。
「日ハムは大谷翔平と中田翔のチームとなりました。栗山英樹監督が就任した2011年オフ、フロントに求められたのは『斎藤と中田を一人前にしてくれ』というものでした。栗山監督は今も斎藤に目を掛けていますが、経営陣は今さら彼に一軍の先発ローテーションに入ってチームを牽引してくれとは思っていないでしょう」(ベテラン記者)