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無名新人が先発デビューか… 巨人のユウキが変える(?)スカウティング・リスト

 “巨人のユウキ”もスゴイらしい。
 24日、東京ドームで巨人の練習が行われた。そこで、打撃投手を務めたのがドラフト4位の小山雄輝投手(22=天理大)だった。その小山が健闘すれば、大学球界の指導方法は一変するかもしれない…。
 「一軍昇格のテスト登板でもありました。ヒット性の当たりを4本食らいましたが、首脳陣は『合格点』を出しました」(チーム関係者)

 4月30日、先発デビューか−−。そんな見出しが踊ったのは、その翌25日だった。30日に対戦する横浜はもちろんだが、他4球団も「小山ってダレ!?」と慌てて情報収集を開始したという。
 「キャンプは二軍でしたが、オープン戦終盤、一軍昇格もあり得るのではないかと騒がれていました。首脳陣は時期尚早と言っていましたが、本当は5、6月の一軍合流を予定していたんです。まあ、巨人に限らず、小山を追った広島、阪神、ソフトバンクのスカウトは『一人前になるまで1、2年はかかる』と見ていました。早期の一軍昇格は本人の努力でしょう」(前出・同)

 二軍では4試合に登板し、防御率1.80。「落差の大きいフォークボール、150キロ近いストレートが特徴」とのことで、3月20日の対日本ハム戦(二軍)では、対戦打者のバットを2本へし折る“衝撃デビュー”も果たしている。
 小山は天理大学の出身。ドラフト関係の季刊誌を発行する有名出版社の『2010年ドラフト候補生紹介号』を改めて読み直してみたが、<大学生 投手欄38人>にその名前は掲載されていなかった。同級生の田中将大、斎藤佑樹たちが活躍した05年秋〜06年のセンバツ、06年・夏の甲子園大会に関する高校野球雑誌も繙いてみたが、同様である。05年、東海地区・秋季大会で、『大府対三重 敗戦投手=小山』と、その名前をやっと見つけることができたくらいだ。在阪球団スカウトの1人もこう続ける。
 「大学2年生途中で内野手にコンバートされています。投手に再び専念したのは3年生になってからでした。小山のスカウティングで、多くの球団が遅れを取ったのはそのためです」
 20歳を過ぎてから急成長したタイプなのだろう。このまま、小山が活躍すれば、大学球界に与える影響はかなり大きい。

 前出のスカウトによれば、投手に再コンバートされた後、投球フォームの改造に着手したという。その指南役は当時、新任したばかりの中村良二監督だった。同監督は近鉄、阪神を渡り歩いた元プロ野球選手なのである。資料によれば、中村監督は94〜95年にウエスタンリーグ二冠王(本塁打、打点)に輝いたスラッガーとあった。「投手経験は中学まで」とのこと。専門的な投手経験のなくても、小山をプロ野球のレベルにまで引き上げてみせたのである。
 巨人・澤村拓一は元プロ野球投手の高橋善正監督に鍛えられた。慶応大学も江藤省三氏を監督に迎えてから強くなり、東京大学も谷沢健一氏が打撃指導を始めてから一目置かれるようになった。元広島、大洋監督の古葉竹識氏も08年4月より東京情報大学の野球部を指導している(アドバイザー期間は除く)。
 「高橋監督(中央大)の成功もあり、大学側もプロ野球経験者を監督に迎えたいと考えるようになりました」(同)

 もちろん、プロ野球経験のなくても、名将の誉れ高いアマチュア指導者はたくさんいる。しかし、高野連ほど規制が厳しくない大学球界では、元プロ野球選手の指導を歓迎する向きが年々、強まっている。このまま小山が活躍したら、今秋のドラフト会議にも影響が出るのではないだろうか。

※中村良二監督の経歴は日外アソシエーツ刊『プロ野球人名事典』を参考にいたしました。

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