search
とじる
トップ > スポーツ > 日本人メジャーリーガー全滅の危機

日本人メジャーリーガー全滅の危機

 13年ぶりに日本人メジャーリーガーが1人もプレーオフに出場できない危機に直面している。アメリカン・リーグの西地区で常勝を誇るエンゼルスに入団した松井秀喜は、ワールドシリーズ出場の切り札・赤いゴジラとして期待されたのに、調子の波が大きく、もう一つ乗り切れない。当然チームも低迷しており、首位のレンジャーズに大差をつけられ、ワイルドカードでのプレーオフ出場さえ厳しくなっている。

 大補強をして今季はエンゼルスとの一騎打ちと言われたマリナーズは、最下位に沈んでいる。松井vsイチローの直接対決も、色褪せたものになっているし、イチロー自身も7月に入り、どん底状態だ。
 昨年、ワイルドカードでプレーオフに出場したア・リーグ東地区の強豪レッドソックスだが、こちらも全く予想外の苦戦をしている。4勝止まりだった昨年の汚名返上を期した松坂大輔は、松井同様に好不調の波の激しさは信じられないほどだ。ナショナル・リーグ西地区の名門ドジャースまでがおかしい。首位のパドレスを追撃できるかどうか危うい状態だ。ヤンキース時代の松井の師匠であったトーリ監督から信頼の厚い黒田博樹は、勝ったり負けたりが続いている。
 現在、プレーオフ出場圏内にいるのは、ナ・リーグ東地区首位のブレーブスだけだ。川上憲伸、斎藤隆の2人がいるが、どちらもパッとしない。日本人メジャーリーガーが全員討ち死にで、プレーオフに出られないとなると、13年ぶりの不名誉なことになる。
 そうなると、衛星放送でのメジャー中継を売り物にしているNHKとすれば、真っ青の緊急事態だろう。昨年は、契約が切れるヤンキース・松井がワールドシリーズでMVP獲得というミラクルを演じて、最高に盛り上がったフィナーレだっただけに、天国から地獄へ真っ逆さまだ。
 最悪の全滅を免れたとしても、エンゼルス・松井、レッドソックス・松坂、マリナーズ・イチローというビッグ3がプレーオフに出場しなければ、注目度、視聴率的には期待できないだろう。

 シーズンが終わり、プレーオフの時期になると、日本人メジャーリーガーたちの去就問題が一気に火を噴くことになる。エンゼルスと1年目契約の松井は、今の成績では再契約は簡単に決着しない。昨年オフにヤンキースとの再契約問題で大騒動勃発。最終的に「DHだけでなく、外野も守ってもらう」という、ソーシア監督の確約が決め手になり、エンゼルスとの1年契約で一件落着している。今オフも大騒動の再燃は必至だ。日本球界からも、昨年名乗りを上げた阪神、巨人が参戦するのは間違いなく、松井大争奪戦が繰り広げられることになる。
 レッドソックスの松坂も地元メディアとの確執が再燃、早くもトレード情報が流れている。去就問題がどう決着するか、予断は許さない。2人だけでなく、イチローを除いた日本人メジャーリーガーたちは、ほぼ例外なく、ストーブリーグの渦中に立たされるだろう。
 プレーオフは楽しめなくなりそうだが、その代わり、ストーブリーグはタップリ堪能できることになる。

関連記事


スポーツ→

 

特集

関連ニュース

ピックアップ

新着ニュース→

もっと見る→

スポーツ→

もっと見る→

注目タグ