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巨樹巡り 荻窪八幡神社のコウヤマキ=杉並区

 東京都杉並区の荻窪八幡神社に「道灌槇(どうかんまき)」と呼ばれる、推定樹齢300年から500年のコウヤマキがあります。

 荻窪八幡神社の建立は、約1100年前。平安時代の「前九年の役」のときには、陸奥守・鎮守府将軍に任命された源頼義が、安倍氏が牙城を築く奥州へ向かう際に、荻窪八幡神社で戦勝を祈願したといわれています。

 「道灌槇」の由来は、足利将軍の継嗣争いらに端を発した「応仁の乱」の時代。関東官領上杉定政の命を受けた江戸城主太田道灌が、石神井城を攻める際に、源氏の故事にならい、荻窪八幡神社に戦勝祈願し、槇を植樹しました。

 コウヤマキは日本特産の常緑高木で、日吉社、権現社などではご神木として植栽されることもあります。

 「道灌槇」は、当初は一根二幹でしたが、昭和初期の暴風雨の際に折損し一幹となりました。昭和61(1986)年には、区の天然記念物に指定されています。樹齢数百年の現在も、樹勢に優れ、「千年の社・百尺の高野槇」と称されているといいます。初詣の時期に荻窪八幡神社を訪れたら、「道灌槇」の周りには、たくさんのおみくじが結ばれていました。

 また、荻窪八幡神社の付近には、「道灌橋」「道灌坂」など、太田道灌からとった名称があります。石神井、江古田、豊島らで繰り広げられた、上杉定政・太田道灌と、長尾景春・豊島泰経らの戦いの跡をしのばせます。

 「道灌槇」のほかにも、荻窪八幡神社境内では、何本もの巨樹が、旺盛な姿を見せています。秋を待たずに夏のうちに収穫することが可能というクリの木もありました。

 東京都心の西に位置する杉並区は、現在でも自然と共生する街並みが残っていますが、昭和の初めのころまでは、雑木林が生い茂り、クリやお茶などの農園が広がっていました。荻窪八幡神社の森は、当時の様子を伝えているのかもしれません。

 荻窪八幡神社の狛犬は、延宝7(1679年)の銘で、杉並区最古の狛犬となります。荻窪八幡神社には、勝海舟の掛け軸などが社宝として保管されています。(竹内みちまろ)

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