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2013年プロ野球キャンプレポート・中日編

 右内転筋痛で全治4週間…。去る2月23日に発表されたドラフト1位ルーキー・福谷浩司投手(22=慶大)の戦線離脱は、チームに与える影響も大きかったのではないだろうか。落合時代に逆上ってもそうだったが、近年の中日はレギュラーがシッカリ固定されている。出場機会を求めている中堅野手も安定した力を見せている。そのため、年齢を問わず、選手は皆、『自己調整』ができる。良く言えば「大人の集団」。しかし、見方によっては、スロー調整のチームである。その意味では、先発ローテーションに食い込む力を持った福谷、左肘の故障で途中離脱したドラフト4位・杉山翔太捕手(22=早大)の2人には、停滞しがちなチームの起爆剤になって欲しかったのではないだろうか。

 よもやの6連敗−−。オープン戦とはいえ、そんな見出しが踊った(3月18日)。開幕まであと(約)2週間という時期になっても、モチベーションが上がらないのも、ベテランが多いせいだろう。しっかりと調整してくると思われるが、高木守道監督は「(オープン戦は)残り少ないけど、いい状態に持っていかないと…」(17日)と、不安を口にしていた。

 福谷の一軍合流はゴールデンウィーク前後と思われる。この福谷が1カ月遅れでも、先発ローテーションに入ってくれれば、ベンチのムードは好転するはずだ。
 福谷がフリー打撃に登板したのは、2月17日(二軍)。キャンプ2日目にはブルペン投球を披露していたが、「実戦向き」というのが第一印象だ。ブルペン投球では「ストレートの速い投手」、「変化球もそこそこ投げられて…」としか思わなかったが、フリー打撃では別人になっていた。ブルペンで投げるボールよりも、フリー打撃で投げるボールの方が良い。キャンプが進むにつれ、コンディションも上がってきたからかもしれないが、まず、初速と終速がほとんど変わらない。対戦打者のバットを折る場面も見られた。本人も「ブルペンよりもマウンドの方が投げやすい」と言っていたそうだが、バッターと対戦することで“本気モード”になるタイプなのだろう。

 また、「一軍昇格までさほど時間が掛からないのではないか」と思えたのが、ドラフト7位の高卒ルーキー・若松駿太投手(祐誠高)だ。投・内連携プレーでノックを受けていたのを見たが、動きが機敏である。投球フォームはスリークオーター気味だが、下半身を存分に使って投げている印象も受けた。投球フォームに無駄な力が入っていないのが良い。高卒新人というと、ドラフト2位・濱田達郎(愛工大名電)ばかりに目が行きがちだが、中日は将来の右の先発候補も指名していたことが分かった。

 “自己調整”で判断しにくい一軍だが、順調な仕上がりを見せていたのが、外野の中堅クラス。平田良介、松井佑介、野本圭が良かった。平田の打球は伸びる。フリー打撃を見ていると、フル出場すれば本塁打王争いに確実に食い込んでくるだろう。松井に関しては逞しくなった印象を受けた。また、新加入のクラーク(右投左打)だが、第一印象は「大人しい」。100キロを越す巨漢で守備範囲も広くない。おそらく、一塁以外は守れないだろう。ただ、迫力もバットスイングの速さも伝わってこないが、外角低めにもきちんとバットが届いていた。「横の変化球」には十分についていけるので、変化球の多い日本球界に適応できるだろう。

 ブルペンも見たが、14年連続50試合登板の鉄腕、岩瀬仁紀は完全に技巧派に転身した心象を受けた。浅尾拓也の故障も長引きそうなだけに、今季の中日は僅差のゲームで苦しむ可能性が高い。昨季56試合に登板した田島慎二は順調に仕上がっていた。この田島をセットアッパーのポジションから外せないとなれば、昨季、先発だけではなく、中継ぎ、クローザーとフル回転だった山井大介がブルペンのカギを握るのではないだろうか。
 吉見一起、大野雄大など完投能力の高い先発投手もいるが、試合終盤の継投策が『打倒巨人』のキーワードとなる。

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