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テレビ局が見放した日本シリーズの現実と改革は?

 開幕第1、2戦、さらに第5戦と地上波のテレビ全国放送がなかったロッテ対中日の日本シリーズ。テレビ局から見放された不人気カードは、やはり視聴率が取れなかった。

 ナゴヤドームから千葉マリンに舞台を移し、ロッテが7対1で勝った第3戦を中継したテレビ朝日系列は6.8%(関西7.8%)。今、離婚騒動の渦中にいて、早大・斎藤佑樹が入団後に弟子入り志願していることでも注目されている時の人、日本ハムのエース・ダルビッシュが特別ゲストで登場したのに、効果なし。
 核心を突いた評論で人気の野村克也氏(前楽天監督)が特別ゲストだった、テレビ東京系列が放送した第4戦もひとケタ。延長11回の末に4対3で中日が勝ったクロスゲームだったが、9.7%(関西8.5%)止まりだった。NHKが急きょ中継した、斎藤人気で沸いた50年ぶりの早慶優勝決定戦が12.1%だったことから、よけいに寂しい視聴率が印象づけられてしまった。
 「どちらもNHK衛星第1も中継したので、二ケタにいかなかった面はある。CMのないNHKBSは視聴者に人気があり、かつては平均視聴率2〜3%だったが、今は5%前後くらいあると言われているからね。地上波と合計すれば、それなりの視聴率にはなる。中日と巨人のクライマックスファイナルシリーズがそうだった。NHK衛星と一緒に中継した第2戦のTBSが7.3%だったのに、フジテレビが単独で中継した第4戦は15.4%の視聴率を記録している」

 放送関係者はそう楽屋裏を語るが、表向きの視聴率がすべての民放テレビ局の日本シリーズ離れには歯止めがかからないだろう。「今後、実行委員会などで土日の日本シリーズはデーゲームにする案とか、いろいろ検討する」と主催の日本野球機構(NPB)関係者は日本シリーズ改革を強調するが、実際に思い切って実行しないとどうにもならない。
 かつてはすべてオールデーゲームで行われていた日本シリーズがナイター化したのは、テレビ局の要求だった。「高い放映権料(1試合1億3500万円)を払うのだから、視聴率の取りやすいナイターにしてほしい。土日もデーゲームでは視聴率が取れない」という要求を、主催のNPBが受け入れたからだ。
 「ウイークデーのデーゲームは、観客動員が難しい」という一面もあったから、飛びついたというNPBサイドの事情もある。が、今は視聴率が命の民放テレビ局が日本シリーズから徐々に撤退しようとしているのだから、球場に足を運んでくれるファンのために土日のデーゲームは当然のサービスだろう。
 そして、テレビ中継はNHKに任せればいい。「国技だから」という理由で、年6場所、大相撲中継をしているNHKには、国民的スポーツのプロ野球の日本シリーズを中継する義務がある。これまで「午後7時からの20分間のニュースがあるので、完全中継できないネックがある」と言われ続けてきたが、テレビから野球が消えていく現実を憂えているファンにすれば、完全中継などという高望みはしないだろう。視聴者から料金を取って経営しているNHKなのだから。民放のような視聴率至上主義にとらわれる必要もない。「土日はデーゲーム。テレビ中継はNHK」というのが、NPBが来年から実施すべき日本シリーズ改革だ。

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