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広島、ソフトバンクぶっちぎり優勝で無意味なCSの戦い

 9月16日、福岡ソフトバンクホークスが2年ぶりのリーグ優勝を決めたのに続き、18日には広島カープも連覇を達成。ヤクルトの“最後の抵抗”にあい、56年ぶりのセ・パ同時優勝はならなかったが、ペナントレースを振り返れば、両Vチームとも、圧倒的にぶっちぎったシーズンだった。
 それは、2位以下のチームを10ゲーム以上突き放した数字が証明している。なのに、2、3位チームに『日本一』のチャンスを与えるクライマックスシリーズ(以下、CS)をやる必要があるのだろうか。いま再び、CSの存在意義が問われている。
 「CSが導入されて、消化試合がなくなりました。2位以下のゲーム差が縮まっていた場合、CS進出を懸け、143試合すべてが終了するまで全チームが真剣勝負しなければなりません。CS進出を懸けた終盤戦の戦いは、興行面に関して言えば大成功です」(スポーツライター・飯山満氏)

 しかし、優勝チームが日本シリーズ進出を保証されなければ、ペナントレースそのものが否定されることになる。
 「一部には3位狙いで戦っているようなイメージも否定できません。『3位よりは2位』の発想で、CSの興行権狙いの発言が球団経営陣から出るのも気になります。勝率5割に満たないチームには日本シリーズ進出権を懸けたCSに出る資格はないのでは?」(同)

 CSが導入されたのは、'04年のパ・リーグから(当時はプレーオフ)。終盤戦の異様な盛り上がりを見て、のちにセ・リーグも追随したが、優勝チーム以外が日本シリーズに進出する“下克上”が起きたのは、過去5回。うち、4チームが『日本一』となり、リーグ内に「優勝チームとシリーズ覇者」が並立する奇怪な図式となった。
 奇怪な図式による悪影響は、次年度にも及んでいる。
 「次年度の選手名鑑を編成する時に困るんです。通常の場合、前年の順位通りに並べていくんですが、優勝チームと日本シリーズ進出チームが異なった場合、ペナントの優勝チームを先にしたら、日本シリーズの価値を下げたことになり、その反対だとペナントレースを否定したことになりますから」(関係者)

 この矛盾はCS投入元年にいきなり起きた。'04年のリーグ優勝はダイエーホークス(当時)だったが、プレーオフ最終戦で西武に敗れ、勝った西武はそのまま日本一に輝いた。同様のケースが'05年、'07年、'10年にも起きた。'14年は2位阪神が巨人に勝って日本シリーズに進出したが、日本一はソフトバンクホークスだった。
 パ進出チームが勝ったことで、「巨人、阪神の両方が負けた感じ」とセ・リーグ側は二重の敗北感に見舞われた。
 「広島、ソフトバンクともにファンが熱い。下克上が起きたら、暴動になるかも」(同)

 勝率5割に届かないチームのこと、あるいは、「前後期制と通算勝率トップのワイルドカード導入」など、CSの在り方も見直すべき時期に来たようだ。

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