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元祖剛腕・小沢一郎が小池百合子都知事へ新党「ラブレター」

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提供:週刊実話

 「自民党の都政に対する(都民の思いが)うっ積している中、まあ、あの人もなかなかだから、チャンスをつかみ、知事選で圧勝し、今回もそうなった」
 7月17日、自由党の小沢一郎共同代表が自身の政治塾で講演。都議選で圧勝した都民ファーストの会を率いる「あの人」、小池百合子東京都知事の政治手法をベタ褒めした。
 「普段は人のことを褒めることが少ない小沢氏ですが、この時は小池氏が公明党とともに共闘を組み都議会過半数を制したことを高く評価した。かつて細川護煕政権、鳩山由紀夫政権と二度の政権党を作った小沢氏は、最後にもう一度、非自民政権を立てる野望を抱いている。それだけに都民ファーストの躍動ぶりには相当注目しており、次の総選挙では小池新党との連携も十分考えている節がある」(全国紙政治部記者)

 安倍政権は加計学園の獣医学部新設に絡む疑惑で支持率が危険水域に落ち込んでいるため、現時点では今秋とも囁かれた衆院解散総選挙は、やや遠のいた感がある。
 「しかし、安倍首相も支持率には非常に敏感になっており、一時的にでも回復すれば、追い込まれる前に解散総選挙に打って出る可能性もある。だが一度、ジリ貧になった政権がもう一度急浮上するチャンスは少ないことを小沢氏は経験上知っている。次の総選挙では、やり方次第で自民が政権を滑り落ちると見ているんです」(同)

 加えて小沢氏が注目するのは、自民党の4割を占める若手議員の質の悪さだ。特に「魔の2回生」と呼ばれる'12年の総選挙当選組は、秘書への暴行事件で自民党を離党した豊田真由子衆院議員を筆頭に、藤丸敏衆院議員、中川俊直衆院議員、宮崎謙介元衆院議員らの不祥事など、枚挙にいとまがない。
 「そもそも1、2回生はアベノミクスの風で当選してきただけに、選挙基盤が極めて弱く、政権支持率が仮に50%を超えていたとしても8割は落選危機状態とも言われている。支持率が低迷した今は、さらに多くの議員が当落線上に追い込まれている」(小沢氏周辺関係者)

 小沢氏としては願ってもない政権奪取を仕掛けるチャンスというわけだが、そこには大きな問題が立ちはだかる。
 「自民党に代わる“受け皿”が既成政党では脆弱すぎる。今の民進党では、民主党から看板だけ掛け替えただけで国民不審が大きく、受け皿にはなれないし、蓮舫代表でも大苦戦が続いている。だから、低空飛行の安倍政権が追い込まれ解散したとしても、今の民進党と小沢自由党、共産党などが非自民で連携し、イタリアで'96年から'00年に政権を担った中道左派連合の“オリーブの木”的なものを作ったところで、おぼつかないことこの上ない」(同)

 そんな中、国民の不満と野党政党への不信を一挙に穴埋めする存在こそが小池新党、というのが小沢氏の慧眼だ。
 「小沢氏は17日の講演会でこうも述べています。『新しい政党を作るのがベストだが、既存の政党が一つの傘のもとでやる“オリーブの木”しかない』。つまり、そこで都民ファーストを国政政党に衣替えしてオリーブ木の核になって欲しいということ。そうすれば、非自民は圧勝すると述べているのです。ただし、そこは非自民野党の結集に、小池氏が小沢氏との過去にこだわらずに乗るかどうか。最終的に双方の思惑が合致するかどうかです」(前出・政治部記者)

 小池氏はもともと、小沢氏が55年体制の利益誘導型の自民党政治との訣別を宣言した著作『日本改造計画』に感銘し、新進党時代などは小沢氏の側近として奔走した過去がある。
 「しかし、小池さんは外国人地方参政権を強硬するなど、政局の状態によってはマニフェストで示した政党の骨格部分でさえひっくり返してしまう小沢氏に不信感を抱き、袂を分かったといいます」(小池氏周辺関係者)

 ただ、これについて一方の小沢氏側近らは「“小沢党”が政局の亜流となったと見るや、小池氏はとっとと去っていった。そのやり口は機を見るに敏すぎる」と批判する。
 「小沢氏は、そんな小池氏のあからさまに立ち位置を変える過去の部分を、すべて水に流す考え。小池氏は都民ファーストで国民のハートを鷲掴みしつつある、その一点を評価して、ともに国政でやろうと“ラブコール”を送ったのが、あの講演会だった。対する小池氏がどんな反応を見せるか、小沢氏は様子を窺っている」(小沢氏周辺関係者)

 選挙アナリストはこう見立てを話す。
 「現時点の小池氏だけでは、政権奪取は厳しい。そこに小沢氏がバックにつき、野党連合で各選挙区で競合しないようにすれば、確かに非自民政権は短期的だが確実に成功する。安倍政権の支持率低下と若手自民議員の不祥事がそれに拍車をかける。そして、小池氏が首相候補の筆頭となれば、国民は日本版マクロン(仏)だと熱狂するでしょう」

 小沢氏は過去の感情を封じ込め、どこまで小池氏に最接近できるか。一方の小池氏は、元祖剛腕政治家を国政進出へ向けての必要なパーツと見るのか。
 いずれにせよ、群がる御仁をふるいにかける選択権は小池氏が握っている。

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