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黒字化必達へ“死中求活” ソニー恐怖の無期限リストラ実施!

 「そこまで追い込まれているのか」−−。
 ソニーが1月6日の仕事始め当日から開始した人員削減策に、市場関係者が驚きを隠さない。家電事業を担う製造子会社、ソニーイーエムシーエスの幸田工場(愛知県幸田町)、長野工場(長野県安曇野市)など、国内5工場全てで3月末までを期限に早期退職者の募集に踏み切った。製造子会社の社員は約5000人。通常は募集者数を設定するが、今回は設定していないのがミソ。即ち、1人でも多く辞めてもらいたいとの本音がアリアリなのだ。

 厳しい生き残り策を迫られているソニーは前年度にも国内外で希望退職者を募集し、1万人(国内3000人)を削減した。当時はライバル社も足並みを揃えたからソニーの凋落は際立たなかったが、ここへ来ての追加人減らし、それも青天井の“オールカマー策”に目をむいた関係者は少なくない。恥も外聞もない決断の裏には何があったのか。
 「ソニーは今年3月期、テレビに代表されるエレクトロニクス事業の黒字転換を必達目標に掲げてきた。ところが現状は厳しく、またゾロ“オオカミ少年”と揶揄されかねない。そこで大胆な人減らしを決めた。巨額のリストラ費用を計上して大赤字になったとしても釈明できるし、これで来期の黒字化をアピールできます」(ソニー・ウオッチャー)

 4月で就任3年目を迎える平井一夫社長の決断を促したのが、米格付け会社ムーディーズの“最後通牒”だったのは間違いない。昨年11月1日、ムーディーズはソニーの長期信用格付けを引き下げる方向で見直すと発表した。現在、ソニーの格付けは投資適格ランクでは最下位の「Baa3」で、もし引き下げられれば投機的水準を意味する「ジャンク債」に転落し、社債発行など市場での資金調達は厳しくなる。
 ムーディーズが引導渡しに含みを持たせた理由は明白だ。その前日、ソニーが発表した9月中間決算はテレビなどの不振で158億円の最終赤字だった。中間期としては3期連続の赤字で、今年3月期の最終利益も当初予想した500億円の黒字見通しから300億円へと下方修正した。
 「その黒字予想にしても、平井社長が就任直後に家電=エレクトロニクス事業でトータル1万人のリストラを行い、固定費削減を行った結果に他なりません。3月期で300億円の最終利益を本当に確保できるのか、音楽出身で、エレキ事業には疎い平井社長自身、内心は半信半疑でしょう」

 そう前置きして証券アナリストが喝破する。
 「皮肉なことに、ソニーは売上高の7割近くをエレキ事業が占めている。それが慢性的な赤字垂れ流しに陥っているため、ムーディーズが『どん底脱却の処方箋を描けなければ本当に引導を渡すぞ』とけん制した。これに慌てた平井社長が捨て身の人員削減策に訴えたと理解すれば話は早い。他に処方箋を描けるならば、さっさと断行して今ごろは堂々たる勝ち組に転じていますよ」

 それどころか、現実には3月決算が予想に反して巨額の赤字となり、ソニーの非常事態を天下にアピールする可能性さえある。しかし「希望退職」に名を借りた苛烈リストラのアリバイ工作さえしておけば「ムーディーズが牙をむかないだろう」との打算が平井社長にあったとしても不思議ではない。そもそも100%子会社である製造子会社の人員削減策に当たって、ソニーは募集枠どころか、上乗せする加算金額も公表していない。もし5000人の社員が“難破船ネズミ”となって一斉に退職すれば、ソニーの家電事業は深刻な事態に直面し、総売上高は激減する。
 「ソニーがジリ貧になれば米ヘッジファンドが黙っていません。映画、音楽などエンターテインメント事業の分離上場を唱えて昨年来揺さぶりをかけているサード・ポイントの対応次第では、大波乱もあり得ます」(市場関係者)

 サード・ポイントを率いるダニエル・ローブCEOは米国でも有数の“物言う株主”として知られ、大株主に躍り出た米ヤフーでは経営トップの学歴詐称を暴き、辞任に追い込んだ武勇伝を持つ。ソニーでは昨年9月末時点で1.64%を保有し、第5位株主として登場している。
 「エンタメ上場案は終わった話とする平井社長と表向きは友好関係を示すローブ氏ですが、このまま引き下がるとは思えない。いまだ今年の6月総会に向けて他の株主に共闘を呼びかけているという噂もあります。そんな矢先、一転して大赤字を計上すれば、平井社長は生きた心地がしないに決まっています」

 保証期間終了直後に製品が故障するという有名な都市伝説“ソニータイマー”が、まるで会社そのものに埋め込まれたかのようである。

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