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「シャープ」劇的復活の裏事情

 野垂れ死に寸前だったシャープが、第1四半期(4〜6月)決算で30億円の営業利益を確保、941億円の大赤字だった前年同期から劇的に復活した。主力の液晶事業が息を吹き返し、太陽電池事業が“ドル箱”に育ってきたことが大きく寄与している。

 しかし、事実上の銀行管理に組み込まれた同社のこと、市場には「復活アピールには魂胆がある」とのクールな観測がくすぶっている。その根拠に挙がっているのが、ここへ来て住宅設備大手のLIXIL(リクシル)、自動車部品最大手のデンソー、電動工具最大手のマキタと、資本提携に向けた企業名が次々と浮上していることだ。
 「今やシャープの再建は、6月総会を機に役員2人を送り込んだ銀行団に委ねられているということ。銀行団は今期の黒字確保を条件に、9月末に迫った転換社債(2000億円)の償還資金など総額5100億円の融資契約を結んでいる。シャープと運命共同体を決め込んだ以上、新たなスポンサー探しに躍起になっているのです」(金融情報筋)

 6月に就任した高橋興三社長は「シャープ迷走の元凶」と名指しされた辻春雄、町田勝彦、片山幹雄、奥田隆司の歴代トップ4氏を本社2階の役員フロアから追い出した。一部メディアは「新社長の大英断」などとヨイショしたが、前出の金融情報筋は苦笑する。
 「いくら社長に就いたからといって、部下として長年仕えた高橋さんが先輩諸氏を一斉に放逐できるわけがない。“元凶たち”を目障りと思っていた銀行団の描くシナリオを、忠実に実行する傀儡にすぎませんよ」

 延命策としての新たな資本提携か。それとも厚化粧を施してのドラスティックな身売りか−−。高橋新社長の背後に控える銀行団の魂胆が透けてくる。

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