「ハリル監督を招聘したのは、前体制のスタッフです。監督就任後、新しい日本サッカー協会会長に田嶋幸三氏が就任しました。後ろ盾を失ったハリル監督はW杯予選で苦戦が続き、風当たりが強かったのも当然です」(スポーツ紙記者)
契約を1年ごとに更新しているハリル監督の年俸は2億5000万円(推定)と破格だが、続投するには「3億円からの交渉スタート、最低でも現状維持」と見られていた。協会もそれを覚悟していたのだが…。
「ハリル監督の方から、退任を示唆するような言動が出始めたんです」(同)
W杯最終予選の最終決戦となったオーストラリア戦を終えた翌日。同監督から「一時帰国」なる言葉が聞かれたが、常識的に考えてこの時期に監督がチームを離れることなどあり得ない。
「プライベートな事情と言われていました。重病を患った親戚がいるらしく、協会も了承する動きを見せたのです」(専門誌記者)
もし今後、ハリル監督が「容体が変わったから駆けつける」と言い出せば、協会は何も言えないだろう。
「任期延長の交渉主導権は、完全にハリル監督に握られてしまいましたね。年俸アップはもちろん、条件提示されたとしても、残留してもらうにはそれを飲むしかありません」(同)
強気の交渉が3億円スタートとなるのは必至。これは、ここまで非協力的だった協会に対する“仕返し”なのだろうか。
W杯ロシア大会は来年6月に開催される。最終予選で日本と争ったサウジアラビアは、W杯本大会出場を決めた後、指揮官との契約交渉を打ち切り、新監督を迎えている。後任を探すとなれば、ここまで積み上げてきたチーム構想も変わってしまうが、日本も“問題児”と手を切り、新体制・新監督で再出発する?
ロシアで勝つための“必須条件”はハリルホジッチ監督の続投ばかりではないはずなのだが…。