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給食運搬員は、大事な仕事なのか

 西宮市内の公立小中学校で、リフトを使って給食を上階に運んだり下げたりするだけの〈給食運搬員〉が40年近く配置されていたそうだ。民間委託で、2010年度は委託料として7小中学校で計約1800万円を西宮市から支出しているらしい。おそるべきどんぶり勘定ぶりである。

 専門の人員が、給食室からリフトまで運び、階上に到着したリフトから配膳室まで運ぶのだそうで、正気の沙汰ではない。

 以前、月刊誌の公務員叩きキャンペーンで10本程度記事を書いたとき、“緑のおばさん年収800万円”の説明ページに、こんな人がやる仕事と、かなり酷いことを書いて、編集者氏に叱られた。過激に書けと言われたのだが、やりすぎたようだ。(笑)でも、その程度の感想しか思い浮かばないのも事実ではないだろうか。給食のおばさんもそうだったが、この手の仕事は、やはり丸一日拘束されてすらいなかった。

 同特集では、百枚以上にも及ぶ資料を渡されたのだが、一番驚いたのは、公務員の手当ての多さである。規定時間以上にパソコンを触ったら目が悪くなるから手当て、市民からのクレームに対応したらごくろうさん手当て、雨が降って傘をさしたら手当て…といった具合で、基本給は普通でも、全部足すとどうでもいい仕事でもとんでもない額になっているのである。

 西宮市の関係者によると、
 「給食運搬業者は、給食とは関係ない引越し業のような業者。毎年入札を行っているので特定の業者だけに委託料を払っているということはない。昭和40年代に子供が増えて、それまで教室は3階までだったが、教室を4階にまで設置せざるを得なくなり、給食調理時間に給食業者がリフトを動かすのが不可能になった」
 のだそうだが、そんな話はよその地域では聞いたこともない。また、
 「給食運搬員の人員は各校2,3人で、年間通して働いてもらっている。委託料は業者に渡している」(同氏)
 そうだ。果たして、個人のギャラは仕事内容に見合うものなのだろうか…。

 西宮市といえば、阪神淡路大震災の直撃を受けて、財政再建の点で全国から注目されている市町村だ。2011年度の業者入札は出来れば止めてほしいものである。
 いずれ、この件については、“のんびり関西流”的な契約ぶりには、「No!」といいたい。(了)

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