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2016年ドラフト情報「即戦力か、将来性?」 スカウトの眼力が試される難解の年(巨人編)

 「即戦力投手が少ないと言われているようだけど、ウチはそうは見ていない」(関係者)
 その言葉からして、即戦力投手を補強すると見て間違いないだろう。
 「夏の甲子園大会後のスカウト会議で、今年のドラフト戦略が決まりました。Aランクを付けた選手は全部で9人。うち7人が投手でした」
 別の関係者もそう証言していた。そのなかでも『特A』の最高評価をしているのが、創価大・田中正義。また、巨人は北海道・東北地区担当スカウトだった大森剛氏(現:国際部課長)の子息が桜美林大学野球部に在籍していた関係で、右サイドに近いスリークオーターの佐々木千隼(右投右打)を早くからマークしていた。社会人・山岡泰輔(東京ガス/右投左打)は瀬戸内高時代から追い掛けており、この3投手から1位入札が選ばれるのではないだろうか。
 「9月10日、堤辰佳GMが田中を直接視察しています。田中は右肩痛からの復帰マウンドでしたが、『大人の投球ができている』とコメントしていました」(ベテラン記者)

 また、先の8月スカウト会議で「Aランク」に繰り上がったのが、今井達也(作新学院・右投右打)だという。高校生投手では高橋昂也、寺島成輝、藤平尚真を高評価しているが、山下哲治スカウト部長が「素材的には申し分ナシ」と絶賛した投手もいる。つくば秀英の長井良太(右投右打)だ。長井は茨城県大会2回戦で散ったが、その時点で「プロ志望届を出す」と明言し、同校の森田健文監督はまだ31歳だが4人のプロ投手を輩出した“ピッチャー・メーカー”である(育成枠、大学・社会人経由も含む)。長井は投手に転向して、まだ2年だ。巨人は2位指名からのウェーバーでは10番目となる。他球団も長井を好評価していたが、状況次第では指名順位を繰り上げるかもしれない。
 山下スカウト部長が称賛した“無名投手”がもう一人いる。独立リーグ・兵庫の山川和大(右投左打)を視察し、「投げっぷりがいい」と評している。山川の球歴はちょっと変わっている。芦屋学園から芦屋大学に進んだが、高校時代は軟式野球部で、同大学は連盟に加盟する硬式野球部がない。そのため、大学生のままで独立リーグ・兵庫に参加した。しかし、2年生のときにオリックス二軍との交流試合で好投し、各球団の関西地区担当スカウトを慌てさせた。どの球団も「大学在籍の独立リーグ投手は指名可能か?」と、NPB本部に問い合わせをしていたほどで(当時)、NPBが「独立リーグ所属でも大学在籍と見なす」と回答しなければ、2年前に指名されていたという。他球団スカウトの言葉を借りれば、「全身がバネ。躍動感がある」とのこと。巨人は本格派右腕が菅野だけなので、この山川を他球団以上に「欲しい!」と思っているのではないだろうか。
 「山川は教職課程の授業を取っており、教育実習を11月に控えています。授業の準備で練習が不足し、調子を落としている」(球界関係者)

 現場は阿部慎之助、村田修一がベテランとなったため、「打てる野手」の補強も求めている。俊足堅守の内野手を補強するとしたら、京田陽太(日大/右投左打)、吉川尚輝(中京学院大/右投左打)、石井一成(早大/右投左打)、右の強打者タイプの内野手ならば、大山悠輔(白鴎大)がいる。大山は主に三塁手だが、二遊間も守れる。坂本勇人、クルーズの二遊間コンビがスタメンから外れた場合、巨人は得点能力を落とす。守備に課題は残るが、社会人1年目から強豪・東芝の4番を任されてきた金子聖史(右投右打)にも一目置いているという。
 投手陣の再整備、内野のレギュラー候補。巨人はドラフト指名に失敗すれば、世代交代で苦しむことになるだろう。

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