出場歌手にとっては晴れがましい舞台だが、その裏側は阿鼻叫喚の地獄絵図の連続−−。香盤表(歌唱順)を巡り、出場者らが己のキャリアとプライド、意地を懸け仁義なき戦いを繰り広げていたのだ。
全ての始まりは一部スポーツ紙がスッパ抜いた紅白歌合戦の締めを飾る“トリ情報”。大トリには紅組の松田聖子(52)が、白組のトリは『嵐』になると報じられたのだ。これを受け、荒れに荒れていたのが演歌を中心とした大物歌手の関係者だ。
中でも、出場回数では今回最多となる“ゴッドねぇちゃん”こと和田アキ子(64)は怒り心頭だという。
「アッコは今回の紅白選考で一度落選しかけたそうです。それを所属事務所のパワーで大逆転した経緯がある。そんな事情を察知したアッコ本人はNHKに対し不信感を持ち、かなりイラついているんです。また、大トリを務められるなら昨年で紅白を卒業した北島三郎のように“自分もそろそろ”と何となく思い描いていたようです。そもそも、アッコと聖子は水と油。バトル再燃必至」(事情通)
和田に続いて、紅白出場回数が多い石川さゆり(56)も聖子の大トリ抜擢には大激怒している一人。
「異口同音に第一声は『なぜ聖子なの?』ですよ。誰もが異議を唱える背景には、やはりヒット曲がないことです。実は、NHKサイドに毎年寄せられる紅白のリクエストでダントツのトップが『天城越え』なんです。つい3カ月前までは石川の名前もトリ候補に挙がっていた」(NHK関係者)
NHKの対応も騒動に輪をかけたようだ。一部プロダクションの問い合わせに、制作関係者が聖子の大トリ起用を暗に認めてしまったというのだ。
「5月31日に放送された300回記念の『SONGS』に出場した聖子の視聴率がダントツだった、と説明したというんです。NHKは制作会社のスタッフの発言だったとして否定しましたが、今回スポーツ紙等で報じられ再び火が付いたんです。確かに、たった一回の高視聴率でジャッジするのは、解せない話なんですよ」(芸能プロ関係者)
トリ候補にもう一人、名乗りを挙げた歌手がいる。NHKがそれこそ三顧の礼で出演を承諾させたという中島みゆき(62)だ。
「中島はNHK朝の連続テレビ小説『マッサン』の主題歌『麦の唄』を歌いますが、本人から『今回がNHK紅白は最後』と言われ、暗にトリを求められていたんです。しかも、ドラマの舞台同様に一面に麦畑が広がるという壮大な演出プラン付きですよ。中島はトリはこれで決まりと一人悦に入っていたそうです」(芸能プロ関係者)