それにしても、なぜ手間も郵便代金も掛かる“ハガキ”なのか。
「公的機関からの連絡はメールや電話ではなく、ハガキか封書です。犯人は、『今時ハガキで架空請求は来ない』という誰もが持ちがちな先入観に狙いを定めているのです」(法曹関係者)
詐欺ハガキは、ポスティングでランダムに投函されるチラシのようなものではなく、住所と氏名が記載され、完全に“個人宛”になっている。これも被害者側を信用させるアイテムだ。
「少し前に『告発通知詐欺』というものがありました。架空NPO法人を名乗り、アダルト画像などの購入者に『告発通知』を送付するというものですが、これは購入先に配達先住所を教えていますから、当該名簿が詐欺グループに漏れていたということも考えられます。昨今は『個人情報は漏れるもの』と考えた方がよく、身に覚えのないものは無視することです」(同)
手口はこうだ。「未納分訴訟最終通知書」などと書かれた下には「未納料金に関する訴訟が起こされたので期日までに電話しないと、あなたの財産を差し押さえますよ」といった内容の文章が記載されている。
そこに電話する→「弁護士に相談しなさい」と指示される→弁護士を名乗る人物が出てきて「裁判の取り下げに使うからコンビニでプリペイドカードを買え」→プリペイドカードを購入しカードの番号を伝えてしまう。これで万事休すだ。
プリカは詐欺グループにとって足が付きにくい。そもそも「訴訟通達」「最終通知」など、考えてみれば意味不明の記述が満載。
人を疑わない性格の人は気を付けるべし。