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暗黒時代突入? 金本監督の「鳥谷スタメン落ち」が遅れた真相

 7月24日、虎のキャプテン・鳥谷敬(35)がスタメンから消えた。連続フルイニング出場の記録は、667でストップした。今季は攻守ともに絶不調であり、金本知憲監督(48)の決断を批難する声は聞かれなかった。しかし、後半戦の舵取りはさらに難しくなってしまったようだ。
 虎の後半戦は連敗スタート。本拠地・甲子園で対巨人3連戦を全敗し、次の広島3連戦でも連敗。広島との2戦目となる7月23日には黒田博樹(41)の日米通算200勝目を献上してしまった。
 「打撃好調だった西岡剛を怪我で失い、今の阪神には『軸』になる選手がいません。鳥谷とゴメスの打撃不振は完全な計算外、藤浪が勝てないのも痛い」(プロ野球解説者)
 後半戦のスタートとなる巨人3連戦を終えた時点で、「甲子園での対巨人戦勝ち星ナシ」。これは、1990年と同じだ。データ上、万年最下位候補だった『暗黒時代』と重なってしまったのだ。

 こんなことがあった。関西系メディアが阪神OBによる金本知憲監督(48)へのインタビューを試みた。その際、インタビュアのOBは「わりとニコニコしてるな。もっとイライラしてると思っていた」と切り出すと、金本監督は、
 「イライラしてるよ。試合中は!」
 と返した。本心だろう。チーム再建の超変革はまだ始まったばかりであり、時間が掛かるということを金本監督も痛感しているのではないだろうか。
 主砲・ゴメスをスタメンから外した後、金本監督は捕手・原口文仁(24)の一塁守備をテストしている。原口を将来の大砲候補として育てていくのか、「打てる捕手」として鍛えていくのか、迷っているのだろう。
 金本監督のいちばんの悩み、迷いは鳥谷の処遇だった。関係者によれば、金本監督はコーチスタッフに「鳥谷のスタメン外し」を何度も相談していたそうだ。
 「鳥谷は攻守ともに絶不調で、『鳥谷は体調が悪いのではないか?』『今後も守備負担の大きいショートで起用し続けていいのか?』などを口にしていました。球宴前までは、安心してショートを託せる代わりの選手がいないとし、鳥谷を使い続けたんですが」(関係者)

 新遊撃手として、名前が上がった選手も何人かいたそうだ。北條史也(21)の名前が真っ先に出て、次に大和(28)。今は二軍だが、植田海(20)の名前も出たそうだ。しかし、ショートは重要ポジションであり、いくら不振でも、鳥谷が外されたとなれば、チーム全体が動揺する。金本監督はその連鎖反応を恐れたという。
 「試合前、早出練習を毎日しているのが鳥谷です。その鳥谷の背中を見て、若手がマジメに練習しているのも事実であって、鳥谷を使い続けた金本采配も間違っていなかったと思います」(前出・関係者)
 鳥谷を外した7月24日の試合後、何人かの阪神首脳陣は、代わりにショートを守った大和の「守備センス」を口にしていた。
 「鳥谷が海外FA権を行使した14年オフ、当時の指揮官だった和田監督が真っ先に後継遊撃手に指名したのも大和でした。真弓明信氏が監督を退いた11年オフ、『サード・鳥谷、ショート・大和』のコンバート案も出ていました」(プロ野球解説者)
 「試合中、イライラしている」という金本監督の言葉は、「我慢して使っている」の意味にも聞こえる。若手を使うということは、ベテランと主力が安定した力を発揮していることが大前提となる。鳥谷、ゴメス、藤浪、そして結果を出しても長続きしない若手…。超変革が達成できるかどうか、まずは鳥谷が不振から脱することではないだろうか。

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