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「信用していない」発言で金本阪神は不穏ムード

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金本知憲

 タダの負け試合ではなかった。金本知憲監督(50)と選手の関係が崩壊した瞬間でもあったようだ。
「関西ダービー」とも称されたオリックスの交流戦の第一ラウンドは、阪神の拙攻で得点チャンスをものにできず、ゲームセットとなってしまった。その試合後、金本監督の怒りは頂点に達していた。
「雨? 僅かにあったね!」
 1点を追う5回、金本監督は一死三塁の好機に失点しつつも粘投を続けていた先発メッセンジャーを諦め、「代打・北條」を告げた。その北條がセーフティスクイズをしくじったのだ。「失敗の原因は雨で滑ったからでは?」という、記者団の北條を思いやった問いに対し、金本監督は目をつり上げてそう返した。
 記録上投ゴロエラーで出塁した北條のあと、一死一、三塁の場面で、続く植田にもセーフティスクイズのサインを続けて出した。「前打者が失敗して同じ作戦」というのは珍しい。オリックスバッテリーは完全に意表を付かれたが、植田も失敗…。この連続ミスに金本監督が爆発した。

「あの2人(北條、植田)が決められないで、普段何をしているんだ!? とくに植田は自分がどういうタイプなのか、どういう仕事を与えられているのか、分かっているのか? 打撃を信用して起用しているんじゃない!」
 俊足攻守の植田はここしばらく1番バッターを任されてきた。たしかに「守備の人」のイメージも強いが、この監督インタビューに、阪神関係者、選手たちが衝撃を受けたという。
「選手を信用していないなんて、マスコミの前で言うか!?」
 今季の不振について、さまざまな検証もされている。昨季までは投手力の再整備が最優先事項だったが、今年は「投高打低」となり、スタメンに1割打者が何人も並ぶ異常事態にまで陥った。その打撃不振の原因は4番を予定して獲得したロサリオの不振、金本監督が期待していた若手が壁にぶちあたったことなどが挙げられたが、
「阪神の育成そのものに原因があるのではないか?」
 との指摘もされている。

 頭角を現した若手野手が2年続けて活躍できないからだ。その伸び悩みだが、「金本監督の圧に萎縮させられている」との声も出始めた。
「試合中、阪神ナインは金本監督の顔色ばかり気にしています。植田は守備でミスをしたときも容赦なく途中交代させられています。藤浪も復帰登板をモノにできず、登板翌日には二軍落ち。中堅、若手が萎縮してしまうのも当然です」(プロ野球解説者)
 金本監督流の「喝の入れ方」かもしれないが、今の阪神ベンチは雰囲気が良くない。ファンも今回の「信用していない発言」には批判的だという。

「7日の同カードでチームを勝利に導いたのは、鳥谷のバットでした。このまま負けたら、ズルズルと最下位まで落ちてしまうとの危機意識があったようです」(在阪記者)
 その鳥谷はスタメン出場だったが、ポジションは三塁。今春キャンプ途中から二塁にコンバートされ、実戦で三塁を守ったのは同日が初めてだった。ベテランの経験値でうろたえなかったが、他選手だったらどうなっていたか…。この1勝で不穏ムードの全てが解消されたわけではない。中盤戦以降が気がかりである。(スポーツライター・飯山満)

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