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上原美優さんと自殺の危険因子

 タレントの上原美優さんが自殺したのは弱冠24歳。あまりにも若すぎる死でありました。
 自殺原因はいろいろと取りざたされておりますが、上原美優さんご自身が元々たいへん自殺しやすい状態にあったということは、あまり注目されていません。

 不登校やいじめを経験。
 15歳で親元を離れ姉と同居。
 高校中退。
 非行に走る。
 婦女暴行被害に遭う。
 芸能事務所に入るも、精神的に不安定になり薬物自殺未遂。
 他にリストカットといった自傷行為もあったといいます。

 また、上原さんは早くから母親と離れて暮らしていたせいか、常に母親の愛情を求め続けていた人でもありました。
 その母親も、約1年前に亡くなりました。

 自殺の研究者によりますと、自殺する人にはいくつかの危険因子があります。

・自殺未遂
・親しい人が亡くなる(喪失体験)
・自傷行為
・性格傾向
・季節性(自殺は3〜5月に多い)

 といったことが挙げられますが、これら自殺の危険因子がすべて上原さんに当てはまります。
 10代の頃の非行も「自分など大切な存在ではない」という意思表示であったのかも知れません。

 他に、自殺の危険因子として「精神疾患」というのもあります。
 上原さんの心の病についての報道は、くわしくは出ておりませんが、精神的不安定により薬物自殺未遂があるということは、その傾向があったのかも知れません。少なくとも精神的に不安定であったことは間違いないようです。

 警察庁の発表によると、自殺の原因第1位は10代〜50代という広い世代で「うつ病」であるとう統計結果が出ています。

 そして、20代と30代の死因の1位は自殺。それも20代、30代の死亡者の3割〜5割が自殺なのです。

 上原さんの場合、 時期的に今回の大震災の影響でストレス障害になっていたのかも知れません。
 震災のようなショッキングな事柄があると、直接被害は受けなくても、その映像やニュースを見続けることによって、精神的にダメージが受けてしまうことがあることが知られています。
 今回のように、地震そのものだけではなく、放射能という目に見えないものから心理的に圧迫を受けている人も少なくないといいます。

 もし、ご自身や周囲の方で、様子が落ち込んでいたり、心が落ち着かない人がいれば、早めに専門医に相談したほうがいいのかもしれません。

(巨椋修(おぐらおさむ) 山口敏太郎事務所)

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